50代からの転職を考える介護士必見!企業から求められる能力とは?

2023.01.30掲載
介護お役立ち情報

更新日:2023/1/30

50代からの転職を考える介護士必見!企業から求められる能力とは?

「今の勤め先に不安を感じているけれど、50代という年齢がネックで転職に踏み切れない。」
「果たして50代の自分が新人としてやっていけるのかよくわからない。」

上記のような悩みを人知れず抱え、転職すべきかどうか迷われている方は意外にも多いのではないでしょうか。
事実、転職活動には多くの時間と労力がかかります。 たとえ無事転職できたとしても、新しい職場が自分に合っているかどうかは定かではありません。

50代という年齢を考えると、不安を感じてしまうのは当然のことでしょう。
ただ、定年を考えると正社員として働くことができる期間は限りがあります。
残された期間自分らしく働き続けたい、という気持ちは大切にしていきたいものですね。

本記事では、50代からの転職が受け入れられるのかや転職後の働き方について、実際のエピソードも交えつつお話ししていきます。
この記事を読み、50代介護士のあなたは転職への第一歩を踏み出せるきっかけを見つけることができるでしょう。

そもそも転職は受け入れられるのか?

介護の現場では人手不足である場合が多く、常に求人募集があることが現状です。
年齢や経験の有無を問わず、高齢者と接することが好きな方であれば受け入れられることが多いでしょう。

応募の際、高年齢であることをネックに捉えてしまいがちですが、むしろ50代ならではの良さがあるのです。
介護職において大切なのは、介護士と利用者さんとの関係性が良好であることです。
50代の介護士であれば利用者さんとの年齢差はちょうど親子関係に近いものがあり、より信頼関係が築きやすいでしょう。

実際、老人ホームや訪問介護での勤務の中で私が出会ってきた50代介護士の方々は、利用者さんと打ち解けるのが早かったことを覚えています。
転職の際に年齢を負い目に感じる必要はなく、むしろアピールポイントとして活かせるように考えておくと良いでしょう。

介護士さんの転職情報はこちらから

50代で転職するメリットとは?

介護業界は高年齢でも比較的転職しやすい傾向があります。
特に、熱意がある方や介護士経験をお持ちの方であれば自信を持って転職に挑むべきでしょう。
ここで、50代の方が転職するメリットをいくつか紹介します。

意外にも同世代スタッフが多い

介護職は体力消費の激しい仕事内容のため、若手スタッフが活躍しているイメージを持たれる方は多いことと思います。
しかし、実際現場で重要な役割を担う介護士は40代から50代であることが多いのです。

公益財団法人介護労働安定センターによる「令和元年度 介護労働実態調査」の結果によると、介護労働従事者の平均年齢は48.8歳となっています。
上記の内、50歳以上の労働者が占める割合は全体の45%であり、決して低い数値ではありません。
むしろ、高年齢介護士の活躍のおかげで現場が成り立っていると言っても過言ではないでしょう。

年齢問わずキャリアアップを目指せる

介護福祉士やケアマネージャーなどの上位資格は、経験年数などの一定条件をクリアすると受けることができます。
実際、私の同僚でも50歳から介護職に就き54歳で介護福祉士を取得された方がいらっしゃいました。

いつもざっくばらんで明るい彼女は、子供が幼い頃に配偶者を病気で失くし、女手一つで育児と仕事を両立させてきた気丈な方でした。

いつからだって、やる気さえあればキャリアアップを目指すことができるのです。
また、資格を取得すると給与に資格手当が加算されるため、更なる仕事へのモチベーションにつながることでしょう。

70歳まで働ける可能性がある

令和3年4月の改正高年齢者雇用安定法によって、事業主に対して70歳までの就業確保が努力義務となりました。
上記に則り、65歳以上の介護士が働き続けられるよう雇用制度を整えた介護施設は多くなってきました。
50代からの転職でも遅くはなく、まだまだ昇進のチャンスはあるのです。

介護士さんの転職情報はこちらから

転職先で正社員になれるの?

転職先で正社員になれるの?

50代で転職した場合でも正社員になれるチャンスは大いにあります。

前述したように、現在65歳以上でも正社員として働ける体制を整えている企業が増え始めています。
実際、私の勤めている施設にも70歳の正社員介護士の方がいらっしゃいます。
利用者さんとのやり取りが抜群に上手い彼女との時間は、非常に学ぶところの多いものです。

介護職は決して若ければいいというものではありません。
年齢に関わらず、自信を持って正社員を目指していきましょう。

なお、転職活動の際には募集要項の定年に関する記載に目を留めておくことをおすすめします。
「定年なし」や「定年70歳」と記載がある場合、シニア世代の介護士が働きやすい環境である可能性が高いといえるでしょう。

介護施設が50代介護士に求めるのはどんな力?

50代介護士が新しい職場で活躍するために求められる力とはどのようなものなのでしょうか。
ずばり、それは豊富な経験値と安定したコミュニケーション力です。

今までの人生経験から得た知識やアイデアは、人生の先輩である利用者さんと接する上で非常に重要です。
プライドの高い利用者さんや認知症を患った利用さんのケアに入る際にも、相手の経歴に共感できると信頼関係を築きやすいものです。

また、介護士は利用者さんのご家族とも話す機会が多くあります。
利用者さんの体調や日々の過ごし方などについてご家族に伝える際、異業種で培ったコミュニケーション力が大いに役に立つことでしょう。
実際、私が出会ってきた50代以上の介護士さんたちは皆経験豊かで様々な分野での引き出しをお持ちの方ばかりでした。

介護士としてのキャリアが浅くても、豊富な社会人経験を持ち他者への礼儀や配慮をわきまえている50代介護士は施設からも重宝されることでしょう。

他業界から転職された50代男性Eさんの場合

ここで私が以前勤めていた老人ホームで出会った50代の男性介護士Eさんのエピソードを紹介します。

Eさんは介護士になる前まではシステムエンジニアをされていました。
将来、ご家族の世話をご自身でしていきたいという理由で介護を学ばれ、転職された経緯をお持ちです。

管理職経験者であるEさんの素敵なところは、自らのキャリアを鼻にかけることなくいつも朗らかで低姿勢であることでした。
気難しく暴力行為に走りがちな利用者さんに対しても、相手を立てることに長けたEさんは難なく良好なコミュニケーションを取ることができたのです。

利用者さんの経歴を理解し柔軟に対応できる力は、社会人経験が豊富なEさんならではの強みであったように感じます。
包容力があり困ったとき頼りになるEさんは、若いスタッフの間では「お父さん」という呼び名で親しまれていました。
介護士としてのキャリアの短さを感じさせないEさんの優しく誠実な人柄は、私にとって尊敬の対象でした。

まとめ

まとめ

ここまで、介護士の方が50代でも転職できるかどうかや企業から求められる能力についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
介護職は人対人で成り立つ仕事です。 いくつからでも、利用者さんの余生に寄り添いたいという気持ちさえあれば長く働いていくことができるでしょう。

実際、10年ほど介護職に携わってきた私から見たご年配介護士さんたちの共通点といえば、利用者さんへの愛が深いことでした。
長年の人生経験で得たことが、利用者さんと接する上で様々な共感や思いやりにつながっていくのだと感じています。

この記事が、転職したいけれど年齢がネックとなり一歩を踏み出せずにいるあなたの不安を解消することができると幸いです。

すぐに働けるお仕事はこちらから

関連記事

長野求人・転職ネットを選ばないともったいない理由

この記事を書いた人:池田 典子 [Ikeda Noriko]  / 介護福祉士
著者:池田 典子 結婚を機にSEから介護職に転職し、10年間介護の現場に携わってきました。第二子を妊娠中に介護福祉士の資格を取得家事と子育てに追われながらも楽しく仕事を続けられたのは、利用者さんからの笑顔や感謝の言葉のおかげでした。
訪問介護や有料老人ホームでの勤務経験があり、様々な利用者さんやそのご家族の方と接してきました。様々な課題を乗り越えてきた経験を生かし、仕事に対する悩みを抱える介護士の方の助けとなる記事を書いていきたいと思います。