看護師の暗黙のルール、守る必要はある?理不尽から身を守ろう!

2023.01.25掲載
看護師お役立ち情報

更新日:2023/1/25

看護師の現場では、暗黙のルール(暗黙の了解、暗黙智、ローカルルールとも言われます。)と呼ばれる社内規定以外のルールが存在する場合があります。
出勤時間についてや業務に関わるものなど、内容はさまざまです。

中には労働基準法違反かも!?と思えるものが含まれることもあります。
では、どうしたらそのルールが必要なものかどうかを判断できるのでしょうか。

「理由もはっきりしないし、守らなきゃダメなの?」
と感じていませんか?

実は私も同じように悩んだことがありました。

理由も分からず、不透明な状況で働くのはとってもストレスですよね。
会社への不信感も大きくなってしまいます。

この記事では、どこまでが守るべきルールなのかを明らかにします。

あなたがもし悩んでいるのであれば、ぜひ読み進めてください。
守るべきルールの境界線がどこなのかを、より明確にできます。

そして、あなたがどう行動したらいいかも、きっと確かなものになるはずです。
参考にしてみてくださいね。

 

暗黙のルールには理由がないことも多い!

暗黙のルールには、はっきりとした理由がないこともあります。

「本当の理由が分からないし、納得できない!」
と感じませんか?

納得できる理由が見つからないのは、「理由がないから」とも考えられます。
なぜなら、暗黙のルールは、慣習や慣例として口頭で引き継がれている場合が多いからです。
「新人は」「1年目は」とつく場合は要注意ですよ。

たとえば
「新人は1時間早く出勤しなければならない」
というルールがあったとしましょう。

確かに、看護師1年目は先輩について仕事を覚える時期です。
処置の準備や、普段のルーティン業務でも時間がかかってしまいますよね。

仕事を覚えるために「自主的に」早めに出勤するなら、勉強という捉え方ができますし、自分で決めたことですから納得できます。

しかし、看護師として経験があり「1年目の新人」とは言えない場合はどうでしょうか?
特に訪問看護や施設看護の場合、すでにたくさんの経験を積んでおり「新人、1年目」とは、言えませんよね。
もしかすると「雑用を押し付けちゃえ」「ちょっと意地悪してやろう」という心ない気持ちから生み出されているかもしれません。

しかも、早めの出勤を強制された上に給与が発生しないとしたら、明らかな労働基準法違反です。

理由が不明確でイジメと感じるようなルールや、法令違反と思われるルールは守らなくても問題ないでしょう。

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守るべきルールは会社が決めたものだけでOK

守るべきルールは会社が決めたものだけでOK

契約の時に説明があったもの、社内規則で決められているものは守るべきものです。

暗黙のルールは、あくまでも口頭で伝えられるものですから、おそらく社内規定には含まれていないはずです。

ですが、業務をスムーズに進める上で必要なルールは確かに存在します。

たとえば
「物品の確認は新人の仕事」
は、新人のうちは、何がどこにあるか覚えるのも仕事の1つだよね、という意図が隠されています。

確かに職場内の物品の位置を覚えれば探す手間が省け、仕事がよりはかどりますよね。

けれど
「もう覚えちゃった……一体、いつまで私の仕事なの?」
と感じるようなら、いつまでも守らなくてもいいのではないでしょうか。

もし、先輩や上司にそれを伝えても受け入れてもらえない場合、もう一度会社側としての指示なのかどうか、そして社内規則も確認しましょう。

 

 

私が経験したルールを紹介します

私が経験した暗黙のルールを二つ、紹介しますね。
良い面と悪い面、両方あったものを取り上げました。

 

2時間早い出勤を強要されて辛かった話

私が看護師1年目の時、早めに出勤するようにと先輩から言われました。
夜勤入りも、2時間早く出勤して準備するよう言われて、「ええ?!なんで??」と不満に思ったものです。
もちろん給与は発生しません。

出勤が1時間前だと「もっと早くこなきゃダメでしょ」と言われることも。
余裕を持って仕事に臨むのは大切ですが、「新人なんだから当たり前!」と、まるで業務であるかのような言われ方は、納得できませんでした。

結局、半年後に入った監査で早めの出勤が残業扱いとなることが決定し、残業手当を申請できるようになったのです。

ですが、「新人は早く出勤しなければならない」というルールは、残念ながら撤廃されませんでした。

給与が発生するようになったのは良いことですが、「早めの出勤を強制すること」が、本当の問題なのでは?と感じます。

2時間早い出勤は、仕事を覚えるスピードアップのためには確かに役に立ったと思います。
救急救命の医師から「ここの1年目は仕事きっちりやってるね!」と、褒められたこともありました。

「早く一人前の看護師になるため」と理由がはっきりしているなら、変な反発心は生まれにくいのではないでしょうか。

「仕事を覚えるために出勤時間を調整してもOKだよ。給与はもちろん払うし、ちょっと大変かもしれないけど、応援しているよ!」
と言われたなら、私もモヤモヤすることなく仕事に取り組めたのではと感じています。

 

お菓子がスタッフの絆を強くするアイテムになった話

ある時、私が担当している利用者さんから、瓶に入ったお菓子の詰め合わせをいただきました。
スタッフみんながおやつとして自由に食べられるように、お菓子は事務所に置くことにしました。
それ以来、瓶の中のお菓子がなくなった後も、気づくと誰かが補充しています。

中身が空っぽだと、なんだか補充しなければならない気になってくるんですよね。
みんなポケットマネーから出していましたが、数百円ではあるけれどお金がかかるし、ちょっと面倒に思っていました。

けれど、小腹が空いた時にちょっとつまむのは実は小さなストレス発散にもなるんじゃないかと、ふと気づいたんです。
お菓子の話題で盛り上がったり、おいしかった!と喜ぶ姿を見たりすると、うれしいものですよね。

「今日も暑いから塩タブレット入れとくよ!みんな、脱水に注意してね」
なんて、先輩から言われると、胸がジーンとします。

今もお菓子の補充は続いていますが、意外にも嫌だとは思わなくなりました。

「お菓子を補充しておく」というルールですが、いつの間にか職場内の暗黙のルールとして定着しています。

「みんなが喜ぶなら!」という気持ちは、スタッフ一人一人を大切に思う気持ちにつながっているんですね。

瓶に入ったお菓子が、不思議な一体感を生み出してくれています。
補充が面倒だったはずなのに、今やスタッフの絆を強くする強力なアイテムになりました。

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暗黙のルールは撤廃できる?最適な方法を紹介!

暗黙のルールは撤廃できる?最適な方法を紹介!

暗黙のルールは、実は撤廃を求めることもできます。
きちんと手順を踏んで、段階的に進めるのがおすすめです。
社内の不協和音になるのではなく、より働きやすい環境を作るための一歩になることでしょう。

 

それとなく同僚看護師に本当の理由を聞いてみる

職場のルールには、新人さんに備品の位置を覚えてもらうため、などの意味が隠されているかもしれません。
または、あなたにだけ知らされていない場合も考えられますよね。

たとえば
「あの人には内緒ね!」
と、言われているとしたら、ほぼ意地悪ルールだと断言できます。

だから、最初は色々な人に理由をたずねることから始めましょう。
こっそり教えてくれる人が現れるかもしれません。

理由が分かれば、それが納得できるものかどうか判断できると思いませんか?

納得できる理由なら、「仕方ない」と割り切って働けますよね。
反対に納得できない理由なら、上司に相談する良いきっかけにもできます。

もし私が同じ立場なら、まずは上司に相談してみます。
少しでも働きやすくしたいな、と思いますから。

 

巻き込めそうな同僚を見つける

一人で理由なきルールに立ち向かうのは、かなり大変です。
でも信頼できる仲間がいたら、とっても心強いですよね。

あなたと同じようにルールに不満を感じているスタッフがいたら、ぜひ仲間になってもらいましょう。

「私、あのルールに納得できないんだよね」
と、ふと、つぶやいてみても良いですね。

もしも賛同してくれる人がいたら、その人はもうあなたの仲間です。
自分の考えに共感してくれる人がいるだけでも、気持ちが楽になることもありますよ。

 

管理者に相談しよう

どうしても納得できないルールには、つい反発したくなりませんか?

でも、自分の正義感を押し付けて、会社や上司を通さずにスタッフ同士でモメるのは得策ではありません。

イライラもします。苦しくも思っていることでしょう。
直接言い返したくなる時だってありますよね。

けれど、管理責任のある管理者を差し置くことは厳禁です。
なぜなら、管理者は労働環境の管理を担い、統括する責任ある立場なのですから。

管理者に報告せずに独断で動いてしまい、
「勝手にやって、モメ事を起こすスタッフ」
と思われてしまってはマイナスです。

すると、いくらあなたが正しいことを言っていても、管理者の心に届かなくなってしまいますよ。

そして他のスタッフだけでなく、管理者とも信頼が築けなくなってしまう危険性があります。

だから、管理者が問題意識を持って中心となって動いてもらえるように、まずは相談することが大切です。
できれば、あなただけでなく巻き込んだ仲間と一緒に管理者に相談するのがベストですね。

 

どうしてもダメなら転職もアリ

あまりにも理不尽だったり、理由が分かってもどうしても受け入れられなかったりしたら、転職を視野に入れてもいいでしょう。

もしあなたが、まだ勤め始めたばかりで辞めにくいと感じているならなおさら、あなたの率直な気持ちを上司に打ち明けるのがおすすめです。

上司に相談するのはなかなか勇気がいりますよね。
「怒られたらどうしよう!」と不安になるかもしれません。

ですが、上司も超能力者ではありません。
「言ってくれないと分からない」のです。

黙って不満をためこまずに、素直な気持ちで相談してみてください。
きっと道がひらけますよ。

しかし、上司に相談してもルールが撤廃や改善がされないなら、残念ながら今の職場はあなたに合わないと考えて良いでしょう。

「ルールが嫌で辞めても良いの?」
と思ってしまいますよね。
でも、決して恥ずかしいことではありません。

そもそも、看護業務以外でモヤモヤを抱えなければならないのはちょっと変ですよね。

余計なストレスがなく、気持ちよく働ける職場はきっとあるはずですよ。

 

まとめ

まとめ

 

看護の現場にある暗黙のルールについて、守るべきかそうでないかを考えました。

暗黙のルールは

  • 会社が決めたものか、または社内規則に明記されているか
  • 理由がはっきりしているか
  • 理由は納得できるものか

によって、守るべきかどうかを判断できます。

確かに業務をスムーズに進める上で、どうしても必要な暗黙のルールもあります。
けれど、あなたが苦しいと感じるルールは我慢しなくても大丈夫。

理由を追求し、実情を踏まえて管理者に相談することが不要なルール撤廃のステップです。

上司に相談しても撤廃されなかったり、きちんと対応してくれなかったりする場合は、転職も視野に入れていきましょう。

あなたが気持ちよく働ける職場は必ずあります。

あなたの職場の問題は理由がはっきりしていますか?
他のスタッフとぶつかってしまう前に、もう一度だけ振り返ってみてくださいね。

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