看護師の辛いこと、大変なことって?現役看護師が体験談を語ります

2023.01.25掲載
看護師お役立ち情報

更新日:2023/1/25

看護師の辛いこと、大変なことって?現役看護師が体験談を語ります

看護師の仕事は、患者さんの治療や療養を支え、命を預かる仕事です。
だからこそ、辛いこと、大変なことがたくさんありますよね。

たとえば、患者さんと医師の橋渡しをするのも看護師です。
時に医師へのクレームや医師に直接言えないことを看護師にぶつけてくる患者さんもいます。

そんな時は、思いをぶつけられた看護師の心も傷ついて、とっても苦しくなってしまうものです。
私も、あなたと同じように、辛く悲しい思いを何度も経験しています。

「もう辞めたい!」
そう思い詰めてしまうこともありますよね。

この記事では、看護師が辛いと感じること、大変だと思っていることを共有します。

この記事を読んだあと
「頑張らなくてもいいんだ」
「辞めたいと思うのは悪いことじゃないんだ」
と、きっと思えるはずですよ。

実際に、大変すぎた職場から転職した私の具体的な話もしていくので、ぜひ読んでみてくださいね。

 

みんなが感じている辛いこと、大変なこと

「他のみんなも大変だって感じてるの?」
と気になるところです。
みんなバリバリ働いているし、そんなみんなについていけない……と思うこともありますよね。

でもきっと、あなたと同じように感じている人はいるはずです。
みんなが感じる辛いこと、大変なことを見ていきましょう!

 

人間関係

やっぱりみんなが悩んでいるのは、人間関係です。

看護師の職場は、今でこそ男性看護師も見られるようになりましたが、ほとんどは女性が占めています。

「女性は女性に厳しい」とよく言われますが、私も先輩からの風当たりが強いと感じたことは、何度もあります。

あなたはどうでしょうか?
職場内の人間関係は、多かれ少なかれ悩みの種になっているようですね。

加えて、看護師は、医師や患者とも密接に関わる立場です。
特に、医師の中には看護師への当たりが強かったり、患者さんに心ない言葉を言ってしまったりする人もいます。

そんな自分に投げかけられた嫌味やギスギスした関係に
「しんどいなぁ……」
と感じてしまいますよね。

 

体力的にしんどい

看護師は、実に体力勝負!と言っても過言ではありません。
自分よりも体格のいい患者さんを支えるだけでなく、車椅子やトイレへの移乗もやらなければなりません。

自分一人でベッド移動、検査出し、オペ迎え……など、昼休憩以外はずっと走り回って動き続ける仕事です。

さらに、看護師に付き物の「夜勤」は、普通の人が寝ている時間帯に働くわけですから、どれだけ仮眠を取ってきても、明け方には電池切れになってしまいます。

「本当に大変、辛い、キツい」
と思うのも、無理はありません。

 

精神的な負担

看護師は患者さんの異常をいち早くとらえるために、常に神経を張り詰めています。
しかも、超マルチタスクなので、時間との戦いでもあるのです。

病院で働く看護師なら、誰でも一度は
「もう、イヤ!!」
と思ったことがあるのではないでしょうか。

時間単位で採血・採尿が必要だったり、点滴が漏れれば針の刺し直しをしたり、大まかな業務の合間にもこまごまと立ち回らないといけません。

場合によっては、医師から患者さんへの病状説明に立ち会うことも必要です。
すると、長ければ30分ほどはその場から離れられなくなりますから、「早く終わって?!」と心の中で叫んだこともあります。

思考はフル回転、目まぐるしく体を動かしながら気を配るのは、並大抵ではありませんよね。

神経をすり減らし、精神的に疲れてしまうのも当然と言えます。

また、精神的な負担には、医療事故への恐怖もあります。
看護師は、ミスが許されない仕事ですよね。

インシデントを起こすと

「なんでやったの?」
「なんで誰にも聞かなかったの」

と、病棟会議で議題に挙げられて責められることもあります。

病棟でのインシデントの吊し上げは、結構多いようです。
私も経験しているので、辛さはよく分かります。
これで精神的に追い詰められる場合も多々あるのではないでしょうか。

医師に怒鳴られた話

私が、回診の時に医師から「早くしろ!」と言われた話をしますね。

私たち看護師は、医師がスムーズに処置できるよう、いつだって最大限気を配っていますよね。
たまたま回診時に痙攣を起こした患者さんがいました。
痙攣を抑える注射を医師が行うことになり、救急カートから薬剤準備、医師に手渡すまで、それほど時間がかかったわけではありません。

それでも「早くしろ!」と大きな声で怒鳴られたのです。
自分ではスムーズに動いていたつもりだったので、びっくりしました。

これも、精神的なダメージが大きかった出来事です。
しばらくその医師が苦手になりました。
大人になってから誰かに怒鳴られるなんて、思いもしませんでしたからね。

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医者と患者の板挟みが辛かった話

医師は、患者さん自身よりも病気に目が向きがちです。
そんな医師の説明が専門的すぎるとか、何気ない言葉が患者さんの心を傷つけることもあります。

すると、患者さんは
「治してもらってる先生には直接言いにくい……」
と考え、より身近な存在の看護師に打ち明ける場合も多くありますよね。

患者さんに噛み砕いて説明することや、患者さんからの要望を医師に伝えるのも看護師の仕事です。
言いにくいことでも、医師に伝えなければならない場合もあります。

たとえば
「先生の説明がさっぱりわからなかった」
「結局、どんな治療をするの?」
と患者さんから聞かれ、もう一度看護師から説明することもあります。

反対に、どうしても医師からの説明を望む患者さんもいて、医師に
「先生、ちょっと説明がわかりにくかったみたいで……」
と再度説明を依頼しなければなりません。
言い方一つで医師が怒ってしまうこともあり、ちょっぴり神経を使うんですよね。

私が辛いと思ったエピソードを紹介しますね。
2歳の子供を育てる若い患者さんと、医師との板挟みに悩んだ経験です。

その患者さんの病状は末期、あちこち転移がある、進行癌でした。
余命は持って数ヶ月と告知され、患者さんは人が変わったように攻撃的になりました。

「放っておいてよ!」
「私は絶対に治るよ!だって、治療、頑張ってきたんだもの!」
「先生のウソつき!治療できる病院に移りたい!」

患者さん本人も、自分の病状は分かっていたと思います。
けれど、自分の「死」を受け入れるのは、ものすごく苦しいことです。
すぐに受け入れられるわけはありません。

ですが、医師には、なかなかその気持ちが伝わらなかったのです。
医師に患者さんの気持ちを伝えると
「そう言われても、病状から見て完全な末期なんだよ」
「ホスピスなら紹介できるけど」
と言う返事をもらいましたが、そんなこと私の口からは患者さんに伝えられません。

結局、医師がもう一度詳しい説明をし、患者さんはひとまず納得されました。

その後、その患者さんは転院することなく病棟で亡くなりました。
意識がなくなるまで、「絶対に治る」と繰り返していたそうです。

この出来事は、今でも忘れられません。
痛々しい患者さんの姿を思い出して、今でも辛い気持ちになります。

命と向き合う看護師は、患者さんの苦悩と医師の考えとの間に立つ立場です。
病気に向き合う患者さんを支えなければなりません。

板挟みになって、どうしても辛い思いをしてしまいますよね。

 

夜勤での看取りが実は一番大変だった

看取りで辛い思い、大変な思いをする看護師も少なくありません。
私の場合、夜勤帯での看取りが一番大変だと感じます。

夜勤帯は、一人で多くの患者さんを見なくてはなりません。
おむつ交換、体位変換、点滴の実施、ナースコールへの対応など、夜勤帯でも常に動き続けるのが看護師ですから、通常業務だけで手一杯です。

そこで、入院が長い高齢の患者さんを看取ったエピソードをお話ししますね。
当時私は、2交代制の病棟に勤務していました。

明け方4時頃のことです。
ある患者さんの心電図モニターのアラームが鳴りました。
見ると、その患者さんのサチュレーションは89%、心拍数も低下しています。

どんなに吸引しても、サチュレーションは上がりません。

脳血管疾患のため意識障害があり高齢でもあるため、看取りの同意書をもらっていた方でした。

家族を呼び、医師にも報告します。
その合間にも他の患者さんからのナースコール対応、モーニングケアなど、やることは山ほどあります。

急変した患者さんの病室へは心電図モニターを見に行き、血圧、呼吸状態などを確認して、さっとメモするくらいしかできません。
ご家族が泣いていても、言葉をかける余裕はありませんでした。

心停止確認後、医師に連絡、死亡確認という流れですが、非常に業務的にならざるを得ないのが、夜勤帯での看取りです。
患者さんとご家族に寄り添うのは、なかなかできません。

「最後まで寄り添って看取ってあげられなかった」
というのが、今でも心残りです。

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どんなことがきっかけで退職しているの?

どんなことがきっかけで退職しているの?

他の人がどんな理由で退職しているのか、気になりますよね。
早速見ていきましょう!

 

職場内における退職理由

職場内での問題、上位5つを紹介します。


・人間関係
・超過勤務
・休暇が取れない・取りづらい
・夜勤の負担が大きい
・責任の重さ・医療事故への不安がある

引用元:「看護職員就業状況実態調査」平成22年度厚生労働省

人間関係はやっぱり1位でしたね!
そして、夜勤の負担、責任の重さも上位に入っています。
人間関係には、看護師同士に限らず、医師や患者さんとの関係も含まれます。

人間相手の仕事ですから、もっとも辛い、大変と感じるのは、やっぱりそこなのかもしれません。

 

私が退職を決めた理由と転職して良かった!と感じた話

何度か転職をしている私ですが、あまりにも辛すぎる病棟から逃げるように辞めたことがあります。
私の場合、転職して正解だったので紹介しますね。

 

サービス残業といじめが当たり前の職場から逃げ出したい!

私が、2次救急の病院で働いていた時のことです。

この病棟では、いじめとサービス残業が常態化した、恐ろしいところでした。

「新人は見て覚える」という謎のルールがあり、1年目や中途入社の看護師に優しくない環境だったのです。

疑問に思うことを先輩に聞いても
「そんなのも分からないなんて、この病棟ではあり得ない」
「あんた看護師に向いてないんじゃない?」
と言われ、教えてもらえません。

さらに、別の新人看護師には、もっとあからさまに「馬鹿」「頭が悪い」など、人格を否定するような言葉も言っているのを聞いて
「自分に言われるのも嫌だけど、誰かがいじめられてるのを見るのはもっと胸が悪くなる」
と思ったものです。

そこで私が、いじめられている新人看護師をフォローしようとすると
「こいつのミス、全部あんたのせいになるからね」
と先輩に脅され、震えました。

しかもこの病棟、新人や中途採用者には残業代が払われません。
急性期病棟であり、緊急入院も多かったので残業は当たり前です。
「勉強」という名目で緊急入院の受け持ちを連日取らされ、残業は毎日3~4時間。

そんな職場では、やりがいは全く見出せませんでした。
自分の心身に余裕がないと、やりがいは見えなくなってしまうんですね。

次第に私は心身ともに疲れ切っていき、とうとう「死にたい」とまで思うようになり、転職を決意したのです。

 

転職して良かった!看護を楽しいと思える職場へ

転職先は、看取りが中心の慢性期の病院です。

慢性期病院でも、やっぱり残業は多々ありましたが、きっちり残業代を払ってもらえる環境でした。
それだけでなく、優しい師長を中心に「まとまりのある温かなチーム」という雰囲気です。

そして、働くスタッフはみんな、入院するすべての患者さんに愛を持って接しているように見えました。

医師との摩擦は多少ありましたが、医師が看護師を否定することは全くなく、怒鳴られることもありません。
あのまま我慢して急性期病院に勤めていたら、心のバランスを崩して看護師を辞めていたでしょう。

急性期病院の人間関係と長時間労働に疲れ切っていた私は、この慢性期病院に転職して間違いなく救われました。

 

まとめ

まとめ

看護師の辛いこと、大変なことを見てきました。
人間関係、体力的な辛さ、精神的な大変さが、看護師には常に付きまといます。

患者さんと医師との板挟みで精神的にすり減るのも、やる気を削ぐ原因と言えますね。
責任の重さ、医療事故への恐怖も、私たち看護師を追い詰めてしまう一因です。

でも、そんな辛い思いばかりの職場で我慢する必要は、全くありません。
あなたが辛い、大変だと感じているなら、その気持ちを押さえつけなくても良いんです。

転職を考えてみてください。
「転職して良かった!」
と感じられるあなたにぴったりな職場に、きっと出会えるはずですよ。

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この記事を書いた人:鈴木 ミギワ [Suzuki Migiwa] / 看護師
著者:鈴木 ミギワ 看護師・社会福祉士・ウェブライター。
社会人から回り道をして看護師資格を取得しました。
超急性期・慢性期の病棟勤務を経験し、訪問看護の道に入りました。訪問看護は5年目に。
2回の転職や、頑張りすぎて体調を崩した経験を教訓に、現場で頑張る看護師の皆さんに寄り添った情報をお伝えしたいと思っています。