介護士は副業禁止って本当?介護福祉士が副業を実践する方法を解説!
更新日:2023/1/30
副業に興味のある介護士は少なくありません。
しかし、次のような悩みを抱えていて、実践できない方も多いのではないでしょうか。
「常勤職員は副業禁止と聞いた」
「介護士にできる副業がわからない」
「労力に見合う収入は得られるの?」
「副業に熱が入り過ぎて本業がおろそかになると困る……」
「そもそも副業って実践していいの?」
今回の記事では、介護士が副業に取り組む際の注意点を解説し、介護士におすすめの副業も紹介していきます。
副業のメリット・デメリットも解説しましたので、副業をはじめるかどうか悩んでいる人もぜひ参考にしてください。
目次
介護士は副業禁止って本当?
就業規則に、副業禁止と記載している介護事業所はあります。
「副業に熱中して仕事に支障がでるのでは?」
「副業に満足して事業所を辞められると困る……」
などの理由で副業を禁止しているのです。
しかし、副業が必ずしも違法になるわけではありません。
副業と兼業に関する裁判事例をみると、「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的に労働者の自由であること」となっています。
そして、「例外的に、労働者の副業・兼業を禁止又は制限することができる」とされるケースは以下の4点です。
・労務提供に支障がある場合
・企業秘密が漏洩する場合
・会社の名誉や信用を損なう場合
・競業により企業の利益を害する場合
引用:副業・兼業の促進に関するガイドライン(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192844.pdf)
上記のケースに該当しなければ、介護士が副業をはじめても法律的には問題がありません。
実際に、私が過去に働いていた職場でも、仲のよい同僚や先輩から「実は副業してるんだよね」と耳にする機会もありました。
副業をしている介護士は、意外と多いのです。
副業をはじめるときの注意点3つ
副業をはじめる際の注意点を3つ解説します。
副業の目的を決める
副業をはじめる前に、副業する目的を決めましょう。
人が行動をおこすときは、やる気や動機が必要ですよね。
やる気や動機は、副業を長く続けていく上で欠かせないものになります。
なぜなら、本業と副業の両立は簡単ではないからです。
常勤の介護福祉士であれば、週に5日ほど勤務する計算になります。
夜勤や早出といった不規則なシフトもあるでしょう。
そのような忙しい本業の合間に副業する時間をつくったり、疲れている状態で副業に取り組んだりするのはなかなか大変です。
あらかじめ副業の目的を決めておけば、
「どのくらい副業に時間をかけられるのか」
「収入はどのくらいを目指すのか」
と実践する内容が具体的になり、スケジュール調整もやりやすくなります。
副業をはじめる前に、
「どうして副業をはじめたいのか」
「副業を通じてどうなりたいのか」
といった目的を決めておきましょう。
就業規則は副業をはじめる前に確認!
副業をはじめる前に、職場の就業規則を確認しましょう。
就業規則に副業禁止が記載されていて、故意に就業規則を破ってしまうと、賞与や昇給の査定にひびきます。
最悪の場合、解雇になる可能性もあります。
就業規則に明記されていなくても、上司への報告や会社への届出が必要な職場もあるため、
まず就業規則を確認し、副業について明記されていなければ上司に確認してみましょう。
上司に確認しにくければ、事務所の職員や仲のよい同僚に確認する方法もあります。
質問は悪いことではありません。
「副業について、念のため確認なのですが」
と気軽にたずねてみましょう。
スケジュール調整は念入りに
本業へ悪影響を及ぼさないために、スケジュール調整は念入りに行うのがおすすめです。
副業の仕事に追われて、寝不足になったり体調不良になったりして、本業に支障がでることも考えられます。
そこで、
「副業の締め切りには余裕を持たせる」
「副業は深夜までやらない」
「本業が忙しいときは副業は休む」
といった自分のルールを設けて、本業と副業を両立させましょう。
介護士が本業と並行してできる副業
介護士が本業と並行してできる副業を、3つにわけてご紹介します。
介護に関連する仕事
介護に関連する仕事は、身につけている経験や知識をいかして働けるため、はじめやすい副業といえるでしょう。
夜勤業務をできる人なら、夜勤専従のアルバイトがあります。
求人サイトなどを確認すると、1度の勤務で日給1万円から2万円ほどの条件の求人がでています。
夜勤業務ができて高収入がほしいという人におすすめの仕事です。
ただし体力面で負担が大きいため、本業と副業のシフトを調整したりと体調管理が大切になります。
介護施設でのアルバイトや訪問介護の登録ヘルパーなら、日勤帯での勤務が可能です。
また、文章を書くのが好きな人や調べ物をするのが好きな人や物事を教えるのが好きな人なら、Webライターが向いているかもしれません。
Webライターは、Web上で公開する記事を作成する仕事です。
介護の知識や経験をいかして、介護保険制度の解説や介護技術のノウハウなどをわかりやすく記事にします。
記事作成を通じて、家族を介護している人や介護士を目指している人に役立つ情報を届ける仕事です。
趣味や特技をいかした仕事
自分だけの趣味や特技を副業にいかす方法もあります。
物作りが好きな人なら、ハンドメイド作品を制作し販売します。
インターネット販売を利用したり、地域のバザーなどに参加したりしてオリジナル作品を販売して収入を得ます。
また、自分の思いや経験を不特定多数の人に伝えたいなら、ブログを運営して広告収入を得る方法もあります。
ブログ運営は、在宅でできるため体への負担が少なく続けやすいのも特徴です。
未経験の仕事
数多くある未経験の仕事の中には、天職につながる仕事があるかもしれません。
あるいは、「いつか本業にしたい仕事」もあるでしょう。
本業で生計をたて、やりたい仕事は副業にするという選択肢もあります。
安定した収入や、周囲から理解を得るには時間が必要になるかもしれません。
しかし、目標を達成したときの充実感は、何物にも代えられないものでしょう。
介護士が副業するメリット・デメリット
介護士が副業するメリットとデメリットを2つずつご紹介します。
メリット①本業にもいかせるスキルが身につく
介護の仕事を選べば、本業にいかせる知識や技術の習得につながります。
日勤帯で働く人が夜勤専従のアルバイトにつくと、夜間帯の対応に関する技術が身につきます。
たとえば、寝たきりの人の褥瘡を予防する体交のやり方や、安楽なおむつ交換のやり方です。
要介護度が重い人の対応にも応用できるため、本業にもいかせるスキルになります。
メリット②気分転換になる
仕事でミスをしたり上司から叱られたりすれば、落ち込むのは自然なことです。
そこで、副業があると嫌なことを何度も考えなくなります。
なぜなら、副業に取り組んでいる間は副業の仕事だけを考えるため、本業の嫌な思いは忘れてしまうからです。
実際に、ハンドメイドに取り組んでいる妻に話を聞くと、仕事でミスをした日ほど副業が進んだといいます。
「作品制作に取り組んでいる間は、『どうしたらうまくできるか?』と作業のことだけ頭に浮かぶ。仕事なんか考えてる暇がない」
と話していました。
副業がうまくいけば嬉しくなり、仕事のミスも「たいしたことではない」と思えるでしょう。
副業が気分転換になれば気持ちにゆとりができ、本業もリラックスして取り組めるようになります。
デメリット①本業がおろそかになることも
副業に夜中まで取り組んで寝不足になったり、本業中に副業について考えてしまったりすると、思わぬミスにつながるかもしれません。
取り組んでいて楽しい副業なら、ついつい本業中も考えたくなりますね。
しかし、本業でミスを連発してしまうと職場に迷惑をかけてしまうかもしれません。
本業をしっかりとこなし、やるべきことが終わってから副業に取り組みましょう。
デメリット②時間をつくるのが大変
本業をこなしながら、副業にあてる時間づくりは大変です。
入居施設で働く人であれば、夜勤や早出といったシフトがあります。
なかなか自分の好きなタイミングで休みもとりにくいため、どうしても本業にあわせて副業に取り組むことになるでしょう。
副業に時間をかけたいという人ほど、いつ取り組むのかといった時間の確保が問題になります。
そのため、早めにシフトを把握してスケジュールを調整したり、必要な連絡も済ませておきましょう。
副業にあてる時間をつくるのは、慣れないうちは大変かもしれません。
しかし、何度も行えば自然にコツが身につき、空いた時間もスムーズにつくれるでしょう。
副業禁止されている介護士が収入アップしたい時は
ここまで、介護士の副業について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
副業に取り組める人がいる一方で、
「副業を禁止されているが、どうしても収入をアップしたい」
という人や
「職場の目がきびしくて副業に手を出せない」
という人もいるかと思います。
そのような場合は、転職して収入アップを目指す方法があります。
待遇に納得できないと、どうしてもモチベーションは下がってしまいますよね。
自分の経験や知識を必要としてくれて、納得できる待遇を提示してくれる職場で働けば、前向きに仕事に取り組めるはずです。
副業が禁止されていても諦める必要はありません。
ぜひ一度転職を応援するプロフェッショナルの人に相談してみましょう。
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その後、素晴らしい仲間との出会いや仕事への気づきから、介護の仕事が楽しいと思える日々を送ることができました。
今では「バーンアウトを経験したから、今がある」と考えています。
13年間介護職として働いてきた経験を活かして、皆さまのお役に立つ記事を書いていきたいと思います。写真は私の似顔絵で、7歳の娘が描いてくれたものです。