介護士が夜勤専従で働く魅力とは?メリットやデメリットも解説!

2023.01.30掲載
介護お役立ち情報

更新日:2023/1/30

介護士が夜勤専従で働く魅力とは?メリットやデメリットも解説!

私が介護士として働いていた時に、上司や社長から言われてモヤモヤした言葉がありました。

それは…

「苦手なことを克服しないと、一人前の介護士になれないよ」
「一人前の介護士になりたかったら、早番も遅番も夜勤もこなせないとダメだよ」
「1つの職場でうまくいかなかったら、他のとこにいってもダメさ」

といった、「○○しないと、ダメ!」という発想です。

しかし、人間ならだれでも得意不得意があるので、自分のやりたいことや長所に目を向けてもいいのでは?と思うのです。

そこで今回は、夜勤専従という介護士の働き方を解説していきます。

夜勤専従に注目する理由は、日勤帯で働く介護士が合わない方もいるのでは?という疑問からです。

もちろん、「日勤で働くのに問題はないけど、夜勤で働く介護士に興味がある」という方にも役立つように情報をまとめました。

今回の記事を読めば、夜勤専従の特徴や一日の流れ、メリットやデメリットについて理解を深めることができます。

また、最近の求人で夜勤専従の募集が多いことから、夜勤専従の介護士が求められる理由についても解説してみました。

新しいステップアップに夜勤専従を考えている方も、夜勤専従について詳しく知りたいかも、ぜひ最後までご覧ください。

介護士の夜勤専従とは

夜勤専従とは?

夜勤専従の介護士とは、働く時間帯が夜間だけの介護士です。

通常、特別養護老人ホームといった入所施設の介護士は、早番と遅番、夜勤を組み合わせたシフトで働くことが一般的です。

そのため、早番では服薬介助のチェック、日勤では午前中の入浴業務というように、シフトごとに注意するポイントや仕事内容が違います。

夜勤専従の場合は、毎回同じポイントに絞って、仕事に取り組むことができます。

早く慣れることができますし、一度慣れてしまえば働きやすくなるため、仕事も続けやすいと言えるでしょう。

夜勤専従の仕事の流れ

夜勤には、夜9時~朝7時ころまでの8時間程度のショート勤務夕方4時~朝9時ころまでの16時間程度のロング勤務があります。

どちらで働くかは、会社や施設によって異なっています。

夜勤専従の一日の流れを表にしてみました。

以下の表は、16時間勤務の場合になります。

8時間勤務であっても、業務内容に大きな違いはありませんので、参考にしてください。

時間

業務内容

16:00

日勤者から引き継ぎ
利用者さんとコミュニケーション

17:00

夕食の食事介助と服薬介助

18:00

トイレ誘導と口腔ケア

19:00

就寝薬の服薬介助や義歯の洗浄、寝巻への着替えといった就寝介助

20:00

介助内容を記録する業務

21:00

1回目の見回り

22:00

トイレ清掃や物品補助などの
雑業務

23:00

2回目の見回り

0:00

休憩時間
(仮眠室で横になる、夜食を取ることが可能)

1:00

2:00

3:00

3回目の見回り

4:00

記録業務

5:00

乾いている洗濯物の取り込みなど
雑業務

6:00

普段着への着替えやトイレ誘導などの起床介助

7:00

食卓へ利用者さんを誘導
朝食の支度

8:00

朝食の介助

9:00

日勤者への引き継ぎと記録業務
終わったら業務終了!

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夜勤専従の特徴的業務

日勤で働く介護士の例としてデイサービスの介護士を挙げ、夜勤専従と比較してみました。

デイサービス職員 夜勤専従職員
食事介助
トイレ介助
服薬介助
移動介助

利用者さんとの
コミュニケーション

記録業務
就寝介助
見回り
オムツ交換
眠れない人との
コミュニケーション
掃除といった雑業務
調理(施設の形態や方針によります)

食事やトイレ介助といった基本的な介助は、共通しています。

夜勤専従で特徴的なのは、「見回り」と「眠れない人とのコミュニケーション」の2点でしょう。

夜勤専従のメリット

夜勤専従のメリット

人間関係のトラブルから離れられる

基本的に夜勤専従は、「ユニット」という10名前後の利用者さんがいるエリアを1人で任されます。

そのため、利用者さんと自分1人という環境がほとんどです。

職員が自分1人という環境は、責任もある反面、周りの目を気にしなくてよい気楽さもあるでしょう。

ただし、始業時と終業時の申し送りは、伝え忘れがないよう入念にしましょう。
文章で残して、さらに口頭で伝えるのがおすすめです。
申し送りが中途半端になってしまうと、引き継ぎを受けたスタッフが困ってしまいます。

夜勤明けは疲れもあり早く帰りたいところですが、「これが最後の業務だ!」と考えて、もうひと頑張りしましょう。
きちんと仕事をして、申し送りも入念な職員は、夜間帯の頼りになるスタッフとして重宝されるはずです。

職員と接する機会が少ないと、人間関係がややこしくなりにくいと言えます。

トラブルから離れられるので、余計なストレスを感じないで済むでしょう。

介護業務に集中できる

夜勤帯の業務は、利用者さんと1対1になることが多くあります。

どの利用者さんも自分の部屋で休んでいるので、見回りやオムツ交換といった業務が、1対1になりやすいのです。

自然と集中できる環境のため、利用者さんの優しい気づかいや体調の変化によく気がつくと言われています。

利用者さんの介護が好きな方は、特に充実感を得られるでしょう。

夜勤専従のデメリット

夜勤が連続することがある

夜9時から朝7時ころまで働く「ショート夜勤」の場合、退勤した日の夜に出勤する場合もあります。

夜勤が連続する2日目は、特に体力的負担が大きくなります。
そのため、仕事のミスが発生しやすいと言われており、精神的負担も少なくありません。

現在の法律上は問題がないため、このパターンを採用している会社もあります。

私が特別養護老人ホームに勤めていた時、2日連続でショート夜勤をしていました。
夜勤が終わっても、「今日の夜に、また出勤しなくてはいけない…」と思うと、気持ちが休まらなくて大変でした…

夜勤勤務が初めての方や心配な方は、念のため、入社する前に条件を確認しておくとよいでしょう。

急な出勤がある

他の夜勤者が、休養や病欠で出勤できない場合に、会社から急な依頼があるかもしれません。

出勤日でなければ、日中は思いのままに過ごしますよね。
急に出勤の依頼があると、心と体の準備ができていないため、いつも以上に負担が大きくなります。

夜勤者は何名いるのか、急な依頼の有無について、事前に会社に確認するのがおすすめです。

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夜勤専従の介護士が求められている理由とは?

「求人 夜勤専従 介護士」と検索をすると、求人が多くあるのがわかります。

日給1万円~2万円と高単価で、介護福祉士といった資格があると、さらに高い求人もあるようです。

なぜそこまで夜勤専従の介護士が求められているのでしょうか?
その理由を2点、解説してみました。

夜間帯の利用者さんのケアができるから

介護士がトイレ介助やオムツ交換、体調確認の見回りをすることで、利用者さんは夜も安心して休めます。
皮膚の保清や排泄の確認をするのも、利用者さんへの大切なケアです。

利用者さんの中には、「見回りにきてくれるだけで、安心できる」と話す方も。

私が以前お会いした利用者さんは、

「夜に心配なことがあっても、みんないないから、訊ける人がいない。そう思うと、なおさら不安になるんだ」

と話していました。

その利用者さんは、私が見回りに来ると、

「今日はあんたなんだね、困ったら助けてね」

と話して、ニッコリ笑っていました。

「自分は1人ぼっちじゃない、見に来てくれる人がいる」とわかると、人って安心しますよね。

また、夜間帯の利用者さんの中には、帰宅願望が強く出る方がいます。
不安にかられて眠れない夜を過ごすと、翌日に、食欲が進まないことや活動意欲が低下してしまうことも少なくありません。

もしも、夜勤専従の職員が利用者さんとコミュニケーションがとれたら、どうなると思いますか?
利用者さんは、自分の不安を聞いてくれたと安心して、ゆっくり眠れるかもしれません。

夜勤専従の介護士は、そばにいて話をするだけでも、利用者さんの役に立てる存在です。

日勤帯で働く介護士のサポートができるから

もう1つは、日勤帯で働く介護士のサポートです。

日勤帯の介護士は介護業務以外に、夏祭りや敬老会といった行事の企画運営を任せられることがあります。
そして、その準備にあてる時間を、残業して作り出している職員が多いのも現状です。

さらに夜勤業務が入ってくると、現場の日勤職員はどうなるでしょうか。
オーバーワークが続けば、利用者さんの安全も職員の健康の維持も難しくなってしまいます。

そこで、夜勤専従の方がいると、日勤帯の職員にとって大きなサポートになります。

まず、日勤業務が主になり、夜は体を休めるので体力面が助かるでしょう。

次に、夜勤帯に回す人員が必要ないので、日勤のスタッフが充実します。
スタッフが充実して、介護にあてる人員が確保できると、余裕のある職員が行事の準備に時間をあてることが可能になります。
よい循環が生まれて、楽しい行事が開催できれば、利用者さんもきっと喜んでくれるでしょう。

夜勤専従の介護士は、日勤帯のスタッフを助けることで、ケアの質の向上に貢献できる貴重な存在と言えるでしょう。

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。

介護士は、肉体的にも精神的にも消耗する仕事だと言われていますよね。

だからこそ、自分の好きなことや個性に合わせて、無理のない働き方を選んでいいと思うのです。

せっかく苦労して取得した資格ですから、今後に活かして働けたらもっといいですよね!

ご自身と相談して、より自分を幸せにする方法を選んでいただけたら、幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人:TAKUMI  / Webライター
著者:TAKUMI 介護福祉士として特別養護老人ホームで働いていたときに、バーンアウトを経験。周りの支えもあり克服しました。
その後、素晴らしい仲間との出会いや仕事への気づきから、介護の仕事が楽しいと思える日々を送ることができました。
今では「バーンアウトを経験したから、今がある」と考えています。
13年間介護職として働いてきた経験を活かして、皆さまのお役に立つ記事を書いていきたいと思います。写真は私の似顔絵で、7歳の娘が描いてくれたものです。