外科の看護師になって子育てと両立しながらスキルアップを目指そう!

2023.01.30掲載
看護師お役立ち情報

更新日:2023/1/30

外科の看護師になって子育てと両立しながらスキルアップを目指そう!

看護師としてもっとスキルアップしたいと考えたことはありませんか?子育てと両立させながら仕事も頑張りたい方も多いでしょう。

私は看護師として働き始めてから10年以上経ちますが、まだまだ勉強が足りないな、スキルアップしたいなと感じる場面がたくさんありました。

スキルアップにおすすめの診療科の一つに「外科」があります。
「外科」と聞くと、忙しそう、難しそう、大変そうというイメージがありませんか?

たしかにイメージ通りの忙しくて、大変で、難しい診療科です。
しかし、だからこそたくさん学べてスキルアップができるのです。

ただ、一言で「外科」といっても多くの専門領域があるのはご存じですか?

一般に「外科」といわれるのは消化器外科です。

他にも整形外科や脳外科、呼吸器外科、心臓血管外科、形成外科など、様々な外科の専門領域があります。

今回の記事では、いくつかの「外科」の特徴や子育てと両立できる働き方等を、私の経験も含めながらご紹介します。
ぜひ最後まで読んでいただき、看護師としてスキルアップするための参考にしてくださいね。

 

多くの専門領域から筆者が経験した、3つの外科

上でお伝えしたように、「外科」にもたくさんの専門科があります。その中から、私自身が実際に勤務をした診療科についてお伝えします。

消化器外科

消化器外科は、手術が必要な消化器疾患を持つ患者様が対象です。

手術は腹腔鏡手術から開胸・開腹手術まで様々で、重症度も異なります。
例えば胆のう摘出手術や虫垂炎による虫垂摘出術は、手術時間も入院日数も短く、クリニカルパスを適用している病院も多いでしょう。

しかし食道の手術となると切開する範囲も広く、人工呼吸器をつけた状態で病棟に戻ってくることがほとんどです。
術後ドレーンも挿入されており、術後管理のために多くの知識が必要となります。

また消化管の摘出術では、術後の食事管理も重要です。
術前と同じ食事をできないこともあるため、患者様への食事指導も行います。

このように消化器外科は幅広い分野であるため、大変ですがその分多くのことを学ぶことが可能です。

脳神経外科

脳神経外科は生命に関わることが多いため、知識とアセスメント能力が必要です。
主な疾患には頭部外傷や、くも膜下出血、脳出血などが挙げられます。

病院によっては、外科的治療を行わない脳梗塞も脳神経外科で対応することもあります。

脳は生体を司る部分ですので、脳を損傷している場合は急変のリスクが高い状態です。
そのため、意識状態や麻痺の程度、対光反射などの綿密な観察や血圧コントロールが必要とされます。

また、疾患の多くは急激に発症するものが多いため、緊急対応もしなければなりません。
術後はドレーンが挿入されていることも多く、ドレーン管理や血圧・脳圧の管理も行います。

さらに、脳損傷により、患者様が自身の状況を理解できなくなる場合があります。
そのため、思いがけない行動をしたり、不穏状態になったり、転倒・転落やドレーン類の自己抜去など、多くのリスクを伴います。
重症患者を看ながら、そのような患者様のケアもしなければならず、常に気を引き締めて働かなければなりません。

しかし、脳神経外科での経験はどこの診療科で働いても役に立ちます。
脳神経外科ではなくても、脳神経の疾患を発症することがあるからです。

実際にCCU(冠動脈集中治療室)で夜勤をしている時に、入院中の患者様が脳梗塞を発症した場面に遭遇しました。
異変に気づき素早く対応して脳梗塞の治療につなげることがで

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きたことは、脳神経外科での経験があったからだと思っています。

大変ですが、とてもやりがいのある診療科です。

整形外科

整形外科は筋骨格系の疾患がある患者様が対象です。
骨折や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、十字靱帯損傷など、様々な疾患があります。

疾患の部位に痛みを伴うためADL(日常生活自立度)が低下している患者様がたくさんいます。
痛みの緩和を図りながら、セルフケア不足を補う看護が必要です。
また、今までと同じように行動できないことから生じる、精神的な不安に対する援助も重要になります。

術後は疼痛コントロールしながら、退院に向けてADLを拡大できるような看護が必要です。
理学療法が重要になるので、理学療法士さんと連携をとりながら行います。

骨折などは急患として搬送されてくるため、緊急対応が求められます。
また、予定手術が多いため、手術日は朝から夜まで手術室と病棟間の患者移送や、術後管理で多忙になります。

その他外科一覧

私が体験した外科の他にも、次のような専門科があります。
・血管外科
・乳腺外科
・呼吸器外科
・胸部外科
・肛門外科
・甲状腺外科
・形成外科
・口腔外科

また「外科」という言葉はつきませんが、婦人科や泌尿器科、眼科、耳鼻科等も手術を行うため、外科的側面を持っています。

診療科による忙しさの特徴

外科の中にも急患が多い診療科や、急患よりも予定入院が多い診療科など様々です。

脳神経外科は疾患の特性上、必然的に急患が多くなります。
外科や整形外科は急患もありますが、どちらかといえば予定入院が多いでしょう。

外科や整形外科は手術予定がびっしりと組まれることが多いため、手術件数が多い日は残業があることを留意しておきましょう。

私が働いていた整形外科の病棟では、朝の8時半から手術室への移送があり、最後の手術が終わるのは21時頃なんてこともありました。
逆に、連休中の入院患者を減らすために、連休前からは手術予定が組まれず、平和な連休を過ごすことができました。

どのような忙しさなのかを考えながら、子育てと両立しながら働けるかを検討するのもよいでしょう。

外科で働きながら、子育てと両立できる?

外科で働きながら、子育てと両立できる?

正社員?パート?勤務形態はどうする?

「今まではフルタイムで働いてきたけれど、子育てとの両立を考えると時短勤務がいいのかな・・・」
等と迷っている方もいるのではないでしょうか。

フルタイムではなく時短勤務でも、看護師としてのスキルアップをすることは十分可能です。
今は子どもとの時間を大事にしたいと考えている場合は、パートタイマーなどフルタイムより短い勤務時間で働くのもおすすめです。

私自身も、子どもを出産してからはずっと時短勤務をしています。
フルタイムで働いてきた時のことを考えると、少しだけ物足りない気もします。

しかし、時短勤務でも多くのことを学んできました。例えば、限られた時間の中で、業務をやりくりする方法を常に考えるようになりました。子どもを産む前は、残業しても自分以外に迷惑をかける人がいませんでした。しかし、産後は子どものお迎えという明確なタイムリミットがあります。

どうしたら定時に退勤できるか、業務効率を図る方法はないか等と時間管理の面でのスキルは大幅にアップしました。その後は、どこの職場に行っても「仕事が速い」と評価していただけるようになりました。

子育てとの両立を考えながら、忙しい外科での勤務を希望する場合は時間管理スキルが必須です。このことについては、この後に説明します。

当分は時短勤務で子育てと両立させながらスキルアップを図り、子どもが大きくなったらフルタイムで働くことを検討中です。

どういった場所で働ける?おすすめ3選!

看護師として働ける場所はたくさんあります。
病棟はもちろんですが、他の部署での勤務も様々な経験ができます。

外来での勤務

私も育児休暇から復職後は、消化器外科の外来で勤務していました。

外来でも傷の処置や、日帰り手術のオペ出し、外来で急変した患者様の対応などを経験し、外来ならではのスキルアップができました。
病棟での勤務と比べると残業は圧倒的に少なかったので、子育てとの両立はしやすかったです。

ICUでの勤務

ICUがある病院では、急患や術後の患者はICUに搬送することもあります。
ICUでは消化器外科、脳神経外科、心臓血管外科など複数の診療科を看て学ぶことができます。
覚えることがたくさんあり忙しいですが、スキルアップは確実にできるでしょう。

クリニックでの勤務

また、クリニックで働くという選択肢もあります。
内視鏡や日帰り手術を行っているクリニックでは、介助も業務内容にあります。
病院では手術室勤務にならないと経験できないことも、クリニックによっては学ぶことが可能です。

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外科で働く看護師に向いている人の特徴

忙しくて難しそうな外科ですが、どんな人が向いているのでしょうか?
外科の看護師に向いている人の特徴をご紹介します。

時間管理ができる人

オペ出しや検査介助、予定入院の対応など、時間が決まっている業務がたくさんあります。

それを時間通りに行いながら、ナースコールの応対や緊急入院の受け入れなどイレギュラーな業務の対応が必要です。

慌ただしく過ぎていく時間の中で、自分が抱えている業務を的確に把握し、それを予定通りにこなしていく必要があります。
最初はとても難しく感じますが、少しずつ優先順位をつけたり状況に応じて予定を組み替えたりできるようになりますよ。

状態の展開の速さに対応できる人

外科は患者様の状態が速く展開していきます。

特に術後は、早期離床のためにリハビリを積極的に進めます。
そのため、医師の指示が次々と変更されたり、いつの間にかドレーンなどが抜去されていたりと患者様の状態が日々変わります。

患者様の状態が変わると、観察項目やアセスメント内容も変わり、目まぐるしい展開に対応することが求められます。
疾患の知識が増えたり、同じ疾患の患者様を繰り返し担当したりすることで次の展開を予測できるようになります。
ぜひ、たくさんの経験を積んでいきましょう。

学ぶ意欲が高い人

これは外科の看護師に限ったことではないですが、学ぶ意欲がないとスキルアップできません。
特に今まで経験したことのない診療科を希望している場合は、今まで以上に自発的に学ぶ姿勢が重要です。

周囲の看護師は新人などの若い看護師の指導に手をとられます。
そのため、中途採用の看護師は分からないことを自己学習したり、積極的に先輩に聞いたり等しなければ仕事を覚えることは困難です。

経験年数が高ければ高いほど、分からないことを分からないと言い出しにくいですよね。
しかし、思い切って聞いてみると、次からも聞きやすい雰囲気になります。
ぜひ、積極的に学ぶ姿勢を持ち、スキルアップを目指しましょう。

まとめ

まとめ

今回の記事では、「外科」の特徴や子育てと両立できる働き方等を私の経験も含めてご紹介しました。
また、外科に向いている人の特徴も合わせてお伝えしました。

外科に対するイメージを少しでも持つことができたでしょうか?
どの診療科でもスキルアップすることができます。
そのためには積極的に学ぶ姿勢が大切です。

また、子育てと両立させながら働くこともできます。
自分のライフスタイルに合わせて、働く場所や勤務形態を検討してみてくださいね。
ぜひ、仕事と子育てとの両立をし、さらに看護のスキルアップも目指していきましょう!

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この記事を書いた人:三井 美波 [Mitsui Minami]  / 看護師
著者:三井 美波 2006年から看護師として働き始めました。
総合病院で内科系・外科系の病棟やユニット、外来での勤務が主でした。1年間大学教員の経験もあります。2021年~訪問看護ステーションに転職しました。
患者さんとの関わりを通して、看護師としての経験値が上がると考えています。患者さんとの関わり方で悩んでいる方がいたら、私の経験談を通してみんな自分と同じことで悩んでいるんだなと前向きに考えてもらえたら良いなと思っています。