看護師はおしゃれができないの?看護師に求められる身だしなみとは
更新日:2023/1/30
看護師はおしゃれが楽しめない、というイメージはありませんか?
「本当はもっと明るい髪色にしたいのに」
「ネイルがしたいからOLになればよかった」
病棟勤務時代、こんな声を看護師仲間からよく聞きました。
みなさんの職場でも身だしなみについて細かくルールが設けられていることと思います。
看護師というのはその職業柄、ただ見た目を整えるだけではなく、医療を提供する者として清潔や安全を保つための身だしなみを求められます。
そのため、一般的な会社員と比較すると必然的に制限が多くなってしまうのです。
しかしこの身だしなみルール、働く場所によってかなり差があることはご存知でしょうか。
今回は3度の転職で4つの職場を経験した私が、身だしなみルールの違いと好印象を与えるポイント、そしてどうしてもおしゃれをしたい時のコツについて解説します。
目次
身だしなみを整える意味とは
「身だしなみをちゃんとしなさい」という言葉を、学生の頃よく耳にしませんでしたか?
制服の着こなしやヘアスタイルに始まり、中には下着の色まで指定する学校もありました。
抜き打ちチェックで引っ掛かり、反省文を書いた経験のある方もいらっしゃるかもしれませんね。
私も学生の頃は、もっと明るく髪を染めたりネイルをしたりしておしゃれを楽しみたいのに、身だしなみ規則って本当に鬱陶しいなんて思っていました。
なぜこのように細かいルールを決めてまで身だしなみを整える必要があるのでしょうか。
『人に不快感を与えないように、服装や言動を整えること。またその心掛け』
(引用:Weblio辞書「身だしなみ」より)
身だしなみという言葉を辞書で調べると、上記のように定められています。
飲食店を例に考えてみましょう。
調理スタッフが私服で髪をまとめず、手入れされていない爪で食材を扱っていたとします。
これからそこで食事をするあなたはこのスタッフを見てどう感じるでしょうか。
しっかりエプロンをして、料理に混入しないよう髪はまとめ、爪は短く切っていて欲しいと思いませんか?
このように、相手が不快や不安を感じぬよう、自分の立場に則した見た目にすることが身だしなみを整えるということだと言えます。
身だしなみとおしゃれの違い
身だしなみの話をするとき、おしゃれという言葉がセットでよく登場します。
おしゃれというのは、ファッションやヘアメイク等で自分を着飾ることで個性を体現する、自己表現手段の一種です。
アパレル業や美容師さんなどはその職種の特性上おしゃれをすることが求められますが、看護師が同じような格好で病院にいたら少し驚いてしまいますよね。
職場での度を過ぎたおしゃれは社会人としての自覚を問われるだけでなく、組織全体のイメージにも悪影響を与えます。
「身だしなみは相手のためにするもの、おしゃれは自分のためにするもの」
これは新人看護師として大学病院に入職した初日、看護部長が私たちに話した言葉です。
不調を訴える患者さんに余計な不安を与えぬよう、おしゃれをしたい気持ちを少し抑えて身だしなみを整えることも看護の一つだと言えるかもしれません。
施設による身だしなみルールの差
看護師の働く場は病棟、クリニック、介護施設、保育園、企業など様々です。
場所が変われば看護師に求められる役割や業務内容にも違いが生まれるため、その差が身だしなみのルールにも反映されます。
今回は看護師の就業先として特に多い病院とクリニックを例に内容を比べてみましょう。
私が実際に働いた職場の例ですので、施設により多少の違いがあることは予めご了承ください。
【都内大学病院の例】
頭髪:目にかかる長さの前髪はピンで留める。
肩より長い髪は一つにまとめ、制服の襟にかからぬようお団子等にする。
髪色は黒または茶色で明るさは9トーンまでとする。
装飾品:ピアスは小ぶりなものを左右1対まで可とする。
イヤリングは不可。
ネックレスはシンプルで小ぶりなものであれば着用を許可する。
ただし制服から見えないようにすること。
ヘアアクセサリーを使用する場合は黒・紺・茶で無地のものとする。
香水や香り付きのハンドクリームは使用しないこと。
メイク:濃いメイク及びノーメイクは避け、社会人として常識のある化粧をすること。
カラーコンタクトは黒も含め全て不可とする。
爪:短く整えること。
ネイル、ジェルネイルは透明も含み全て不可とする。
【都内クリニックの例】
頭髪:長い髪は一つにまとめる。
髪色は奇抜でない色で明るさは10トーンまでとする。
装飾品:ピアスは小ぶりなものを左右1対までとする。
ネックレスはシンプルで小ぶりなものであれば可。
ヘアアクセサリーを使用する場合は、華美すぎず上品なデザインのものとする。
メイク:ノーメイク不可。
カラーコンタクトは自然な色・デザインであれば使用可。
爪:短く整えること。
ネイル・ジェルネイルは華美でないデザインとする。
ただし、剥がれたり根本が伸びた状態になる前にメンテナンスをすること。
いかがでしょうか。
クリニックより病院の方が少々ルールが厳しいことがわかりますね。
重症度が高く医療的処置も多いため、清潔や安全を守る目的で必然的に厳しいルールとなりやすいです。
また、都心の病院は看護師の髪色やアクセサリーの着用に比較的寛容な場合が多く、地方にいくほど身だしなみのルールが厳しくなる傾向が見られます。
好印象を与える身だしなみのポイント
職場によってルールが異なると、新卒の方や転職される方はどのような見た目で初日を迎えるべきか悩んでしまいますよね。
どの職場であろうと、看護師に求められる基本的な身だしなみは共通しています。
以下のチェックリストの項目を押さえておけばまず問題はないでしょう。
①髪は一つにまとめ、肩や顔にかからないようにする。
②ヘアカラーは黒または茶色で、明るすぎない色(7トーン程度まで)にする。
③派手な化粧を避け、コーラル系のリップやブラウンのアイシャドウでナチュラルに仕上げる。
④マツエク、カラーコンタクト、アクセサリー類は装着しない。
⑥白い靴下を着用する。
病院実習の身だしなみをイメージするとわかりやすいかもしれません。
内定書類等と一緒に身だしなみの規定を送付する所もありますが、必ずしも全ての職場がそうとは限りません。
その場合は、事前に足を運びスタッフの身だしなみを確認したり、パンフレットやホームページに掲載されている看護師の姿を真似するという方法もあります。
どうしてもおしゃれがしたい時は
身だしなみを整える大切さをわかっていても、おしゃれをしたい気持ちが完全に消えるわけではないですよね。
看護師が厳しいルールの中でおしゃれを楽しむコツ、それはズバリ見えない部分で遊ぶことです。
・靴下を脱ぐとカラフルなフットネイル
・お団子を解くと緑のインナーカラーがチラ見え
・制服で隠れる背中に小さな天使の羽のタトゥー
こんな風にこっそり楽しむ看護師を何人も見てきました。
それでももっと堂々とおしゃれを楽しみたい方もいらっしゃるでしょう。
その場合は今よりもルールの緩い職場に転職したり、思い切って看護師以外の職に就くことを検討しても良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
看護師として働く上で、細かく定められた身だしなみのルールを守ることは必須です。
身だしなみのルールを守ることは事故やクレームから自分自身を守ったり、相手に好印象を与えることで職場や患者さんとの人間関係を良好にする効果も期待できます。
厳しすぎる身だしなみルールにストレスを抱えている場合は、見えないおしゃれや転職でストレスをうまくコントロールできると良いですね。
身だしなみとおしゃれ、どちらも両立しながら看護師ライフを楽しみましょう。
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ストレスによる体調不良で休職・退職した経験から、自分の心を大切にして働く事を目標に日々試行錯誤しています。
より良い環境を求め続けた結果、看護師5年目にしてすでに4回の転職を経験。看護師資格をうまく利用して自分らしく楽しく生きる人が増える事を願っています。