介護士が楽な施設とは?未経験でも働きやすい職場を見極めるには?

2023.01.30掲載
介護お役立ち情報

更新日:2023/1/30

介護士が楽な施設とは?未経験でも働きやすい職場を見極めるには?

「未経験でも働きやすい介護の職場ってあるの?」
「楽な働き先を見つけるにはどうすればいいの?」

異業種から介護の世界に転職をお考えの方には上記のような悩みを持たれる方が多いものです。

夜勤や不規則なシフト、人間関係の問題など負担の多いイメージが強い介護職。
未経験のあなたが不安を抱えてしまうのも無理はありません。

しかし、働きやすい職場を見極めるポイントを明確に把握できれば、
介護士としての一歩を踏み出せるのではないでしょうか。

そこで今回は、

  • 介護士が働きやすい職場を見極めるポイント
  • 楽な職場ランキング
  • 各職場の特徴

などを介護士歴10年、今も現役の介護福祉士として実務に携わる私の目線からお話ししたいと思います。

ぜひ、最後までご覧ください。

 

介護職未経験でも働きやすい職場ってあるの?

介護職は一般的に、汚い・きつい・危険が揃う3Kのイメージが強く、重労働であると思われがちです。

しかし、介護制度をきちんと理解した上で働き先を見定めることができれば、多様にある介護施設の形態から楽な職場を見つけられるかもしれません。

そもそも、介護の業界では施設の形態によって利用者数や職員数、利用者さんの介護度・ADLなどにバラツキがあるもの。

このバラツキによって介護士にかかる負担が変わることが分かれば、未経験でも働きやすい施設を探しやすくなるのではないでしょうか。

働きやすい職場かどうかを見分けるポイントとは

以下では、働きやすい職場かどうかを判断する上で着目すべき3つのポイントを紹介します。

利用者さんの介護度合い

利用者さんの介護度が低い施設では、介護士にとっての負担も軽いもの。
利用者さんの状態を表す指標は、下記に示す要介護度・要支援の7段階に分けられています。

要支援1・2
日常的な動作は自立しているものの、部分的な介助が必要な状態

要介護1から5
心身の機能低下によって日常生活がままならず、介護サービスを要する状態


要支援1が最も自立度の高い状態で、要介護5が最も介護を要する状態です。

平成29年の厚生労働省の調べによると、訪問介護・デイサービスでは総じて利用者さんの介護度が低い傾向にあることが分かります。

一方、介護老人福祉施設(特養)や介護老人保健施設(老健)、訪問入浴では利用者さんの介護度が高いことが特徴です。

特に特養においては要介護4・5の利用者さんで半数以上を占めています。

参考:厚生労働省「平成29年介護サービス施設・事業所調査の概況」

もしもあなたが未経験で働きやすい職場を見つけたいのであれば、
その施設の利用者さんの介護度に着目してみることをおすすめします。

利用者さんの定員

未経験から介護士を目指す場合、利用者さんの定員が少ない施設を選ぶと良いでしょう。

一般的にどの介護施設にも利用者さんの定員が設けられており、定員の数に応じて職員を採用します。
しかし、介護業界における人員不足は常々ある問題。

施設によっては募集を絶えずかけても人手が集まらず、利用者さんの数に見合った職員を配置できないことがあります。

この場合、施設の規模が大きければ大きいほど介護士の負担が重くなる可能性があるのです。

例えば、入居する利用者さんの介護度が高い特別養護老人ホームでは、
定員が30人程の小規模な施設から100人を有に超える大規模な施設もあります。

職員不足が生じた場合、大規模施設では介護士ひとりが担当する範囲が広くなるだけでなく、
ひっきりなしに鳴るナースコールにも常に対応せねばならなくなります。

また、介護士の収入は施設の規模が大きくても小さくても大差はありません。

未経験から介護士になることに不安をお持ちの方は、利用者さんの数が少ない小規模な職場からスタートしてみると良いでしょう。

夜勤でどれだけ仮眠できるか

夜勤でどれだけ仮眠が取れるかによって、心身の疲労は大きく変わるもの。
夜間帯にしっかりと休息を取れるかどうかは、夜勤職員の配置人数によって大きく異なります。

例えば、特養で義務付けられているのは25人の利用者さんに対して1人の介護士を配置すること。
利用者さんが40人の場合には2人の介護士が配置されることになります。

この場合、十分な人員がいる施設では3人以上の介護士を配置してくれる場合がある一方、
人員不足の施設では1人のみの配置で済ませてしまうことがあるのです。

未経験から介護士になる方にとって、仕事を覚えること・完璧にこなすことはただでさえ大変なこと。

夜勤による心身の疲労が加わってしまえば、介護士としての好調なスタートが難しくなってしまう可能性があります。

施設の介護士を目指す場合、夜間の職員配置についても着目すると良いでしょう。

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各職場の特徴と働きやすさランキング

各職場の特徴と働きやすさランキング

身体的な負担の度合いから、各職場の働きやすさランキングと仕事内容について紹介します。

これから介護士を目指される方は、ぜひ就職活動の参考にしてみてくださいね。

1位:デイサービス

身体的な負担の少ない職場で働きたいという方にとって最もおすすめなのがデイサービス。
デイサービスの利用者さんは比較的自立度が高く、夜勤や休日の出勤もありません。

レクリエーションなどを通して利用者さんを元気にしたい・コミュニケーションを取るのが
得意という方にとって、デイサービスは楽しく勤務できる職場となるでしょう。

2位:訪問介護

訪問介護では利用者さんのお宅に介護士がひとりで伺い、サービスを提供します。

訪問介護を利用される方の介護度は施設に比べると低くなりますが、
1対1でのサポートとなる上、時間内にサービスや記録、利用者さんの相談対応などをこなさねばなりません。

施設での介護に比べると、訪問介護では介護士にかかる責任・精神的な負担が大きくなりがちです。

しっかりと利用者さんと向き合いたい・タイムマネージメントに自信がある方にとって、
訪問介護は非常に働きやすい職場となるでしょう。

3位:グループホーム

グループホームとは身体的な自立度は高いものの認知症を患う方々が5人から9人程度のユニットを組み共同生活を送る場。

入居者数は他の施設と比較すると少なく、多い場合でも2ユニット分の人数となります。
グループホームの介護士が担う業務は身体介護に加え、調理や掃除、洗濯などを利用者さんと一緒に行うこと。

先回りせずしっかりと利用者さんのペースに合わせた支援ができる方はグループホームに適していると言えるでしょう。

4位:老健

老健は入居される方が在宅での生活に復帰できるように介護サービスやリハビリ、医療的なケアを行う施設です。

あくまで一時的な入居を前提とした場所であるため、
特養に比べると介護度が低い利用者さんが多いこと・利用者さんの入れ替えが頻繁であることが特徴。

たくさんの利用者さんとコミュニケーションを取りたい・心身の機能が向上するようにサポートしたいという方にとって、
老健はやりがいを感じられる職場と言えるでしょう。

5位:特養

特養の特徴は、入居する利用者さんの介護度が高いこと・他の施設に比べると施設の規模が大きいこと。

この特徴を仕事が楽かどうかという視点から判断すると、最もハードルの高い職場となります。

ハードな仕事を通して実践的なスキルを上げたい・チーム連携で仕事を進めたいという方にとって、
特養はおすすめの職場と言えるでしょう。

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訪問介護か施設介護、未経験から始めるなら?

未経験から介護の仕事を始める場合、施設での介護より訪問介護の方が働きやすいと言えます。

なぜなら、訪問介護では利用者さんの状態が要支援から要介護5と幅広く、
介護の仕事が初めてという方は負担の少ない家事支援などから始めることができるためです。

さらに、初回の訪問から数回にかけてベテラン介護士が同行・指導をしてくれるため、
仕事を覚えられるか不安な方でも安心して業務を進めることができます。

最初は負担の軽い仕事から徐々にスキルをアップしていきたいとお考えの方にとって、訪問介護は最適な職場と言えるでしょう。

介護って意外と楽!私のエピソード

私が異業種から介護の世界に足を踏み入れたのは10年前のことです。
当時は利用者さんとじっくり向き合いたいという気持ちから、初めての働き先に訪問介護を選択。
小さなミスを繰り返しながらも慣れない業務に邁進していました。

そんな私でも「介護って意外と楽かも」と感じた瞬間があります。

それは、どんなにハードなサービス内容やスケジュールでも
目の前の利用者さんから心からの「ありがとう」を頂くことで疲れが吹っ飛んだ瞬間です。

「この仕事を選んで本当によかった」

そう考えると、こんなに楽でやりがいの感じられる職種はないなと感じたことを覚えています。

最後に

最後に

ここまで未経験でも働きやすい職場の見分け方や各職場の特徴、働きやすさランキングなどについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

介護の仕事は大変と思われがちですが、未経験からでも無理なくスキルアップを目指せる職場はたくさんあります。

一番大切なことは、目の前の利用者さんの心身を支えたいという気持ち。

この気持ちがあなたの中にあれば、きっと介護士としての歩みを進めていけるはずです。

ぜひ、自分のペースで成長できる職場と出会い、素敵な介護士さんになられてくださいね。

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この記事を書いた人:池田 典子 [Ikeda Noriko]  / 介護福祉士
著者:池田 典子 結婚を機にSEから介護職に転職し、10年間介護の現場に携わってきました。第二子を妊娠中に介護福祉士の資格を取得家事と子育てに追われながらも楽しく仕事を続けられたのは、利用者さんからの笑顔や感謝の言葉のおかげでした。
訪問介護や有料老人ホームでの勤務経験があり、様々な利用者さんやそのご家族の方と接してきました。様々な課題を乗り越えてきた経験を生かし、仕事に対する悩みを抱える介護士の方の助けとなる記事を書いていきたいと思います。