サービス提供責任者にどうすればなれる?メリット・仕事内容を解説!

2023.01.30掲載
介護お役立ち情報

更新日:2023/1/30

サービス提供責任者にどうすればなれる?メリット・仕事内容を解説!

「サービス提供責任者ってケアマネとは違うの?」
「サービス提供責任者ってどうすればなれるの?」

ステップアップを目指す介護士さんの中には、上記のような疑問を持たれる方が多いものです。

サービス提供責任者の位置付けや仕事内容などの詳細が分かれば、
より明確なキャリアパスが描けるようになるのではないでしょうか。

そこで今回はサービス提供責任者の仕事内容や取得によるメリット、
ケアマネとの違いなどについてお話しします。

ぜひ、最後まで読んでくださいね。

サービス提供責任者とは?

サービス提供責任者とは、訪問介護の現場において
ケアマネージャー・介護士間に入り様々な連絡・調整を行う中核的なポジションを指し、
「サ責」と呼ばれています。

サ責の主な仕事は、ケアマネの立てたケアプランに応じたサービス計画の作成や、
現場介護士への指導など。

また、利用者さんのご家族にサービスに関する説明を行ったり、
必要に応じて現地に赴き介護の実務に携わったりすることもサ責の役割です。

サービスの計画から介護士の教育、実務まで幅広く活躍するサ責は、
まさに訪問介護の現場における要となるポジションといえるでしょう。

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ケアマネとサービス提供責任者はどう違う?

ケアマネとサ責の仕事内容における大きな違いは、「何を調整するか」です。

例えば、ケアマネの役割はあらゆる分野の介護サービスと利用者さんが
上手く繋がるように調整すること。

そのためサービス担当者会議を開き、多職種の関係者との情報連携を行ったり、
共有した情報を元にケアプランを作成したりします。

一方、サ責の役割はケアマネの立てたケアプランに基づき現場の介護士が円滑に
実務を進められるように調整するもの。

例えば、訪問介護サービス計画書・サービス提供手順書を作成し介護士に共有したり、
必要に応じて介護の実務に携わったりします。

また、ケアマネが民間資格であるのに対し、サ責が資格ではなくポジションを
指している点においても両者の大きな違いと言えるでしょう。

サービス提供責任者の仕事内容とは?

サービス提供責任者の仕事内容として、下記に挙げる7つを紹介します。

訪問介護サービス計画の作成

訪問介護サービス計画の作成はサ責の主たる仕事です。

これは、ケアマネが作成したプランに基づいた上で
利用者さんのADL・目標に合った介護サービスを具体的に決めていくもの。

また、作成した訪問介護サービス計画について
利用者さん、ご家族からの同意を得ること・サービスの経過をたどり
妥当性を判断することもサ責の仕事です。

利用者さんの意向やADL、住環境などに変化があった場合にはサービス計画を作り直し対応します。

新規の利用者さんへの対応

訪問介護のサービスを利用したい方のお宅に赴き、相談に応じたり必要な手続きを
行ったりすることもサ責の仕事。

新規の利用者さんの中には介護サービスを利用すること自体が初めての方もいらっしゃるので、
サ責には相手への共感力・わかりやすく話す力などが求められます。

利用者さん・ご家族へのアセスメント

サ責は利用者さんのお宅に赴き、利用者さん・ご家族に対してアセスメントを行います。

アセスメントとは、現行のサービスが利用者さんのニーズに合ったものであるかどうかや
サービスに過不足がないかなどを明らかにするための面談です。

アセスメントの結果によってはケアプランが変更となることもあります。

サービス担当者会議を通しての情報共有

サ責はケアマネが開催するサービス担当者会議に出席し、利用者さんのサポートに携わる
他職種の関係者・ご家族と情報の共有を行います。

この会議は、ケアマネの立てたケアプランの意図・目標を共有したり、
利用者さんの課題の解決に向けて意見を交換したりする場となるもの。

サ責はさまざまな観点・視点から利用者さんをサポートするための情報を得ることで、
サービスの質の向上を図ることができるのです。

サービス提供手順書の作成

現場で利用者さんのケアに携わる介護士は、同一の安定したサービスを
提供できるようにしておく必要があります。

このために、サ責はサービスの項目や具体的な手順、利用者さん・ご家族からの細かな要望などが
一覧できるサービス提供手順書を作成し、現場の介護士に共有します。

モニタリングの作成

モニタリングとは介護士が行うサービスが利用者さんの状態に合ったものであるかどうかを
確認するための調査。

サ責は定期的に利用者さんのお宅に赴き、モニタリングを行います。

利用者さんの意向やADL、環境などに変化が合った場合、
訪問介護計画書・サービス提供手順書を新たに作成し、介護士に連携します。

現場介護士のスキルアップ支援

現場の介護士が円滑にサービスを進められるようにスキルアップを支援することもサ責の仕事。

例えば、新規の利用者さんにサービスを行う場合には初回同行として
介護士に付き添い具体的なケア手順を伝えたり、介護士への指導・研修を行ったりします。

事業所全体の介護技術力の底上げには、サ責の働きが深く関わっているのです。

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サービス提供責任者になるメリットとは?

サービス提供責任者になるメリットとは?

ここで、サ責になることによって得られる3つのメリットを紹介します。

ステップアップできる

サ責の仕事内容は現場の介護士と比べると広範囲となります。

例えば、利用者さんへのサービスを具体的に決めるサービス計画書の作成や多職種の関係者と
情報共有を行うサービス担当者会議への参加、現場の介護士への指導など、その内容は多種多様。

サ責になることによって、さまざまな視点から利用者さんをサポートするための
情報やスキルを得ることができるのです。

長く介護の世界で働きたい方にとって、サ責への挑戦はステップアップへの
大きなチャンスとなるでしょう。

身体的な負担が少ない

サ責の仕事の大半は書類の作成や会議への参加、電話応対といった内容となります。

そのため現場の介護士に比べると身体的な負担が少なく、腰痛に苛まれる心配もありません。

利用者さんからの信頼を得られる

サ責には、訪問介護サービス計画書の作成にあたって利用者さんと定期的に
コミュニケーションを取る機会があります。

また、自らも現地に赴き介護に携わったり利用者さんの身に生じたトラブルに
応対したりすることで、利用者さんの心身を献身的にサポート。

いつでも支えとなってくれるサ責の存在は、利用者さんが日常生活を送る上で
無くてはならないものなので、感謝の言葉をいただく機会も多くあるでしょう。

サービス提供責任者にはどうすればなれる?

サービス提供責任者のポジションを目指すには、下記要件のいずれかが
満たされている必要があります。

・介護福祉士の取得
・実務者研修の修了
・旧ホームヘルパー1級の保持

なお、かつて要件として認められていた「3年以上の実務を経験した介護職員初任者研修修了者」に
ついては、2018年に実施された社会保障審議会介護給付費分科会によって要件から
除外となったことを考慮しておきましょう。

サービス提供責任者には配置基準がある

サ責は訪問介護の現場において重要なポジションであるがゆえ、
事業所には必ず1人以上のサ責の配置が定められています。

そして、サ責の配置人数は直近3ヶ月の利用者数の平均値に応じて決められるもの。

サ責の具体的な配置人数は以下に示すものとなります。

直近3ヶ月間の
利用者数の平均値

サ責(常勤)の配置人数

40人以下

1人以上

41人から80人

2人以上

81人から120人

3人以上

121人から160人

4人以上

161人から200人

5人以上

 

また、2015年から追加されたサ責の配置基準によって、下記の3点をクリアする場合は
利用者数50人に対しサ責の配置人数を1人としても良いことが決められました。

・常勤のサ責を3人以上配置している
・サ責の業務に専任する職員(介護の実務に携わった時間が月30時間以内である)を
 1人以上配置している

・サ責の業務にソフトウェア・ネットワークシステムが活用され、効率的に進められている

なお、サ責は非常勤としても勤務できますが、常勤の勤務時間の半分以上(週20時間以上)職務に携わることが条件となります。

また、地域によっては常勤・非常勤を問わずサ責の配置基準が決められていることもあるため、
サ責を目指す場合は自分が住んでいる場所の基準を事前に確認しておきましょう。

まとめ

まとめ

ここまでサービス提供責任者の仕事内容や取得メリット、どうしたらなれるかなどを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

現場の介護士さんは、サ責というポジションにチャレンジすることで大きなステップアップ・やりがいを達成できる可能性があります。

また、年齢・経験を問わず誰でも受講できる実務者研修を修了することでもサ責の要件を満たすことができるため、比較的目指しやすいポジションと言えるでしょう。

介護の世界で長く働きたい介護士さんは、ぜひサービス提供責任者を目指してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人:池田 典子 [Ikeda Noriko]  / 介護福祉士
著者:池田 典子 結婚を機にSEから介護職に転職し、10年間介護の現場に携わってきました。第二子を妊娠中に介護福祉士の資格を取得家事と子育てに追われながらも楽しく仕事を続けられたのは、利用者さんからの笑顔や感謝の言葉のおかげでした。
訪問介護や有料老人ホームでの勤務経験があり、様々な利用者さんやそのご家族の方と接してきました。様々な課題を乗り越えてきた経験を生かし、仕事に対する悩みを抱える介護士の方の助けとなる記事を書いていきたいと思います。