介護職のオープニングスタッフは大変?どんなメリットがあるの?

2023.01.30掲載
介護お役立ち情報

更新日:2023/1/30

介護職のオープニングスタッフは大変?どんなメリットがあるの?

「介護職のオープニングスタッフって大変なの?」
「既存の施設と比べると働きやすいの?」

慣れ親しんだ職場から離れ、オープニングスタッフにチャレンジしたいと考える介護士さんの中には、上記のような疑問を持たれる方が多いものです。

未知なる環境での仕事に不安が生じるのは当然のことです。

ただ、オープニングスタッフの大変なところや働くメリットなどが分かれば、新たな一歩を踏み出しやすくなるのではないでしょうか。

そこで、今回はオープニングスタッフならではの注意点や向いている人の特徴、ベテランとして生き残る人に共通する特徴などについてお話しします。

ぜひ最後までご覧ください。

オープニングスタッフとして働くメリットとは

オープニングスタッフとして働くことには魅力的なメリットがたくさんあります。
以下にて、それぞれのメリットについて具体的にお話ししていきます。

職場がキレイ

オープニングスタッフは、建物や設備、備品などあらゆる物がキレイな環境の中で働けます。

また、新しい施設は利用者さん・職員にとって楽な動線が考慮されていたり、最新の介護機器が導入されていたりするメリットもあります。

利用者さんに気持ちよく過ごしていただける上、職員にとっても身体的負担が少なく働きやすい環境が整っている点は、新規施設の大きな魅力といえるでしょう。

滅多にない経験ができる

新規の施設では設備等はもちろんのこと、マニュアルやルール、レギュレーションにおいても何もない、まっさらな状態。
このため、オープニングスタッフは経歴・年齢が異なる同僚たちと意見を出し合って、何もない状態から職場環境を構築できる機会に恵まれます。

上下関係からくるしがらみによって思うように意見を出し合うことが難しくなりがちな既存の施設と比べ、新規の施設では皆が新人のため不穏な空気は生まれません。

若手の介護士でも経験の浅さや年齢面でシニア介護士に引け目を感じることなく、自由に意見を出しやすい環境となるでしょう。

人間関係がまっさら

オープニングスタッフとして働く醍醐味はなんといっても人間関係がクリアな状態であるところ。
職員全員が入職したばかりであるため、上下関係や派閥、業務負荷の不公平などが起きづらく仲間意識を高めやすくなります。
多忙な業務を職員同士が助け合いながら進めていくことで、年齢・経歴の垣根を超えたチームワークを築くことができるでしょう。

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オープニングスタッフならではの注意点とは

オープニングスタッフとしての勤務には魅力的なメリットがある一方、下記のような注意点も存在します。

介護サービス以外の業務が多い

オープニングスタッフが担う業務は介護サービスの他にもさまざまな内容のものがあります。

例えば、チラシの作成・配布や見学に来訪された方の対応、施設の開所に向けてのミーティングなどもオープニングスタッフの業務となります。
開所したものの利用者さんがなかなか集まらない場合、介護とは関係のない業務をメインに進めていかなければならないこともあるのです。

介護業務だけに携わりたい介護士さんは、オープニングスタッフの仕事に物足りなさを感じる場合もあるでしょう。

不慣れな作業に追われる

いくら経歴の長い介護士であっても、オープニングスタッフとしてサービスを提供する相手は新規の利用者さんばかり。
まずは利用者さんのADLや趣味・思考、性格や生まれ育った背景などを資料を通して知る必要があります。

オープンして間もない頃は利用者さんがどのような行動パターンを取るかが掴みづらくなるため、イレギュラーなトラブルに連続して見舞われることもあることでしょう。
こういった状況下で、オープニングスタッフには不慣れな作業に向き合う根気やチームワークに重きを置く姿勢が重要といえるでしょう。

事前情報がない

既存の施設に転職する場合、事前に職場環境について知っておくことは可能です。
しかしオープニングスタッフへの転職では、転職エージェント・口コミサイトなどを通して職場に関する情報を収集することが難しい状態。
実際に働いてみないと分からないことが多く、転職の際は不安が生じやすくなるでしょう。

未知なる環境に挑んでみたい方はオープニングスタッフに適していると言えますが、予想外な業務を強いられる覚悟もしておく必要があるでしょう。

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オープニングスタッフに向いている人の特徴とは

オープニングスタッフに向いている人の特徴とは

オープニングスタッフに向いている人の特徴には下記3つが挙げられます。

・イレギュラーな業務にも柔軟に応じられる
・チームワークで物事を決められる
・自分から質問したり学んだりできる

新規の施設では、オープンからしばらくの間は職員全員が不慣れな業務に右往左往してしまいがちです。
不慣れな状況の中でスムーズに業務を進めていくには、自らが学び得たことをチームで共有したり、予測不能な事態にも対応したりすることが必要となります。

反対に、

・楽な仕事ばかりを選びがちな人
・ひとり黙々と作業するのが好きな人
・ルーティーンワークが好きな人

オープニングスタッフに不向きといえるでしょう。

オープニングスタッフからベテランになる人とは?

気が回る人やフットワークが軽い人、誰からも頼りにされる人はベテランになると思われがちですが、意外にも数年で退職されてしまう方が多いものです。

10年ほど介護士の仕事をしている私の経験上、オープン当初から将来を期待されていた介護士さんのほとんどが別の事業所に転職されていきました。
どうしてこのようなことが起こるのか、転職される方とベテランとして生き残った方を比べてわかったことがあります。

それは、長く働いている介護士さんは皆、無理をせず常に自然体で働いていらっしゃるということ。

意外ではありますが、不器用ながらも素直な気持ちを持った人・仕事をセーブして家庭や趣味を大事にしている人がベテラン介護士になっていることが多かったのです。
ここで、私が以前勤めていた施設の上司である男性介護士Kさんについてお話しします。

いつも自然体なリーダー介護士Kさんのエピソード

Kさんは施設のオープンから13年間にわたり勤務を続け、施設長にまでなられた方です。

彼は屈託のない明るさの持ち主で、いつも利用者さんやスタッフとのコミュニケーションを楽しんでいました。
利用者さんとため口やボディタッチを交わしながら盛り上がったり、職員に対してもいつも冗談を言っていたりすることが日常。

また、残業は必要最低限に止め、プライベートでの釣りとお酒を楽しむ時間を大切にされていました。
遊びながら仕事をしていると思われても不思議ではないくらい、いつもラフな雰囲気をかもしだしているKさん。

一見、「この人長続きしないだろうな」と思われがちなKさんが意外にも施設一番の古株介護士となり、施設長の座を得たのです。

そんなKさんのすごいところは、疲れやストレスを包み隠さず体現するところ。
「あーもうだめ、働きたくない!」と伸びをするKさんの自然体な姿によって、職員の緊張が解きほぐされ、場が和やかになることは何度もありました。

いつも素直な気持ちで気負いのないKさんだからこそ、利用者さんや職員から愛され、オープニングスタッフからベテランへと進むことが出来たのだと感じます。

まとめ

まとめ

ここまで介護職のオープニングスタッフで働くメリットや向いている人の特徴、注意点などについてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

オープニングスタッフとして働くには、見栄をはったり無理をしたりはせず、分からないことに素直な気持ちで向き合う姿勢が大切です。
忙しさが落ち着くまでの大変さはありますが、職場のルールや人間関係をまっさらな状態から作り上げられるのはオープニングスタッフならではの醍醐味。
さまざまな課題を乗り越えた頃には、より深い絆で結ばれたチームワークが出来ていることでしょう。

現況に不満や物足りなさを抱え、未知なる領域に挑んでみたいと考える介護士さんは、オープニングスタッフへの転職にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人:池田 典子 [Ikeda Noriko]  / 介護福祉士
著者:池田 典子 結婚を機にSEから介護職に転職し、10年間介護の現場に携わってきました。第二子を妊娠中に介護福祉士の資格を取得家事と子育てに追われながらも楽しく仕事を続けられたのは、利用者さんからの笑顔や感謝の言葉のおかげでした。
訪問介護や有料老人ホームでの勤務経験があり、様々な利用者さんやそのご家族の方と接してきました。様々な課題を乗り越えてきた経験を生かし、仕事に対する悩みを抱える介護士の方の助けとなる記事を書いていきたいと思います。