介護士が感じる「働きづらさ」、それって解決できるの?
更新日:2023/6/12
「働きづらい」
こんな風に感じる介護士の皆さん、少なくないんじゃないでしょうか。
日本は高齢者社会、その現場で奮闘するあなたたちの重要性は日増しに高まっています。
でも、その一方で、長時間労働、低賃金、人間関係の難しさといった働きづらさが深刻化している現状も見逃せません。
これらは、女性の多いこの業界でより一層大きな問題となっています。
「もう限界かも」
と感じたとき、一瞬でも転職を考えてしまう気持ち、理解できます。
でも、ちょっと待って。
今の職場で解決できるかもしれませんよ。
一緒に、その可能性を探ってみませんか?この記事を通じて、あなたの働きやすい環境作りの一助となれればと思います。
どうぞ、最後までお付き合いください。
目次
介護士が直面する「働きづらさ」って?
「働きづらさ」は具体的に何なのでしょう。
それを理解するためには、その背後にある具体的な問題点を見てみることが重要です。
以下では、介護士が感じる「働きづらさ」の主な要因を4つの視点から詳しく見ていきましょう。
長時間労働:時間との戦い
介護の仕事は、24時間365日、必要とされる職業です。
だからこそ、残業が当たり前となり、休みの日でも呼び出されることも珍しくありません。
働き続けると、自分の時間がなくなってしまうと感じる方も多いでしょう。
これは精神的にも体力的にも大きな負担となります。
低賃金:報われない労働感
介護は専門的な知識と技術を必要とし、体力的にも精神的にも非常に厳しい仕事です。
しかし、その労働に対しての給与が低いと、働きがいを感じにくく、報われないと感じてしまうかもしれません。
経済的な安定が得られなければ、やりがいだけでは続けられないという現実があります。
実際に、介護労働安定センターが令和3年度に行った調査によれば、
賃金について「満足」「やや満足」していると答えた職員が一定数いる一方で、
「やや不満」「不満」を感じている職員がそれらの約2.4倍にも上る
という結果が出ています。
この結果は、賃金問題が介護士にとって大きな課題であることを明確に示しています。
人間関係のストレス:職場の空気
人間関係のストレスも見逃せません。
職場の人間関係がうまくいかないと、仕事そのものが苦痛になってしまいますよね。
それは、介護業界も例外ではありません。
人それぞれの価値観や働き方、コミュニケーションスタイルが混ざり合う中で、ストレスを感じてしまうこともあるでしょう。
体力への負担:身体を壊さないために
最後に、体力への負担について触れておきましょう。
介護業界は物理的な労働が多く、特に重い介助などは身体に大きな負担をかけます。
長時間労働が続くと体調を崩しやすく、結果として長期的な健康被害をもたらすこともあります。
これらの要因が合わさることで、「働きづらさ」が生じてしまうのです。
介護現場で感じる疑問とその解決策
「働きづらさ」が具体的に何から来ているのか、そろそろ見えてきましたよね。
では、これらの問題にどう向き合い、どう解決していけばよいのでしょう。
各問題ごとに、具体的な解決策を考えてみましょう。
長時間労働の解消:自己管理と仕事の調整
介護業界で働く者が直面する問題の一つ、長時間労働。
その実態は医労連が2018年に実施した介護施設労働者約4000人を対象とした調査で明らかとなりました。
その結果、
夜間の長時間労働が辛いと答えた人が42.1%にも上った
という衝撃的な数字が出ています。
これは、長時間労働問題が介護士全体にとって深刻な課題であることを明確に示しています。
このような状況の中、長時間労働を改善するには、自己管理が大切になります。
まずは自分の働き方を見つめ直し、仕事の優先順位を明確に設定しましょう。
そして、休憩時間をしっかり確保することで、心身ともにリフレッシュする時間を作り出すことが可能です。
長時間労働が辛いと感じているなら、上司への相談も一つの手段です。
自分の思いや働きづらさを伝えることで、理解を得たり、働き方改革の一環として働きやすい環境作りにつながるかもしれません。
ただし、伝える内容やタイミングは慎重に考え、自分の立場を明確に伝えることが大切です。
低賃金の改善:スキルアップと転職
あなたがもし、今の給料に満足していないなら、その気持ちを無視せずに行動に移してみませんか?給料を上げるための道は二つ。
自分のスキルを磨くことと、新しい職場を探すことです。
スキルアップで自分の価値を高める
最初に考えられるのは、自分のスキルアップです。
介護の世界では、新たな資格を取得したり、研修で知識を深めたりすることで、あなたの能力がより評価されます。
特に、介護福祉士や認知症ケア専門士といった資格は、給与アップの大きなチャンスになります。
もちろん、学ぶことは大変ですが、その努力が給料に反映される喜びもありますよ。
転職で待遇の良い職場を探す
もう一つの方法は、転職です。
介護業界は、新しい施設やサービスが次々と出てきている活発なフィールド。
その中には、あなたのスキルを必要としている、もっと待遇の良い職場がきっと見つかるはずです。
転職エージェントを活用したり、自分から職場見学に行ったりすると、自分にピッタリの職場を見つけるチャンスが広がりますよ。
人間関係の改善:話し合いと理解
職場での人間関係が上手くいかないと、働くのが辛くなること、ありますよね。
なんと、厚生労働省の資料でも、
2020年と2015年の両方で、一番多い離職理由が人間関係の問題だった
とのこと。
職場の人間関係が、働き続ける上でどれだけ重要なのか、改めて感じます。
そこで重要なのが、お互いの思いや意見を話し合うこと。
話すことで、自分が何を感じているのか、何が問題なのかを伝えられますし、相手の立場や考えも理解できます。
自分の気持ちを素直に伝え、また、相手の話もしっかり聞く。
これだけでも、人間関係はグッと良くなるものです。
お互いの理解が深まれば、もっと気軽に仕事ができるようになるはず。
一歩を踏み出して、良い職場環境を作りましょう。
体力への負担:健康管理と労働環境の改善
体力への負担は、介護職ならではの問題ですよね。
特に腰痛は、介護職の大きな悩みの一つです。
ここでは、自分自身でできる体力への負担軽減策をご紹介します。
まずは、適度な運動を心がけ、筋力を保つことが大切です。
また、仕事中の体の使い方、例えば正しい体の持ち上げ方や、腰を守るための動作も大切です。
仕事後のストレッチやマッサージも、体への負担軽減に効果的です。
労働環境の改善については、自分たちでできる範囲で工夫をしてみてください。
小さな改善でも、積み重ねることで大きな変化を生むことがあります。
転職も一つの選択肢:新たな風を迎え入れる一歩
さて、これまで様々な解決策をお話ししてきましたが、それでも現場の厳しい現状が変わらない場合、思い切って転職を考えるのも一つの選択肢です。
あなたの能力や経験が活かせる、もっと良い職場があるかもしれませんよ。
転職は大きな決断ですが、同時に新たな自分を見つけるきっかけでもあります。
もし今、あなたが働きづらさを感じているなら、転職について深く考えてみるのも良いですね。
新しい環境での出会いや経験は、あなたの介護士としてのキャリアを豊かにすること間違いなしです。
ただ、転職を決断する前に、いまの職場で試せる解決策を一度試してみてください。
そして、その結果を踏まえて、自分にとって最善の道を選んでくださいね。
大切なのは、あなたが働きやすい環境で、安心して介護のお仕事ができること。
あなたの選択が、あなた自身の幸せに繋がることを願っています。
まとめ:働きやすさを求めて
働く場所によって違いはあれど、介護業界においては特に職場環境の改善が求められています。
人間関係、長時間労働、低賃金といった問題は介護職が抱える厳しい現状を示しています。
しかし、その一方で、これらの課題に取り組むことで、自身の働きやすさを大きく向上させることも可能です。
まずは、人間関係の改善から。
厚生労働省の資料によれば、離職の主な理由が人間関係の問題であることが明らかになっています。
ここからわかるように、良好な人間関係を築くことは、仕事のやりがいを感じ、働き続ける上で不可欠な要素です。
お互いに理解し合うことで円滑な人間関係が築けるため、積極的なコミュニケーションを心がけましょう。
次に長時間労働の問題。
ここでも自身の時間管理や仕事の調整が大切になります。
そして、不満があるなら勇気を持って上司に相談してみてください。
問題を共有することで、働きやすい環境作りの一歩を踏み出せます。
そして最後に、低賃金問題。
自身のスキルアップや資格取得により、自分の市場価値を上げていくことが求められます。
自分を高めることで、賃金アップの可能性も広がります。
以上のように、現状の問題に対して積極的に取り組むことで、自身が働きやすい職場環境を創り出すことができます。
一つ一つの課題解決が、よりよい介護業界への一歩となるでしょう。
あなた自身が主体となって、より良い働き方を模索しましょう。