看護師の転職活動:前職の退職理由、上手に伝えるコツ教えます

2023.08.02掲載
看護師お役立ち情報

更新日:2023/8/2

面接官から「前職の退職理由は何ですか?」という質問を受けることがあります。

これは一見些細な問いかもしれませんが、実はあなたの人柄や働き方、そしてあなたがどのような看護師になりたいのかを示す重要な機会なのです。

退職理由をうまく伝えることで、あなたの看護師としての能力や前職での経験、学びはあなたの強みとなります。

退職理由の伝え方を工夫することで、あなたの未来への期待や見識を面接官に伝え、理想的な職場を見つける一助となるでしょう。

本記事では、退職理由をどのように伝えるべきか、具体的な例文や伝えるための方法を紹介します。

 

退職理由、その整理方法とは?

 

看護師の転職活動で大切な要素の一つが「退職理由」です。

しかし、退職理由をどのように整理し、どのように伝えるべきかについて迷う方も多いのではないでしょうか?
そのための具体的なステップを以下にご紹介します。

 

ステップ1:感情は一旦置いて、事実を明確に

 

退職理由を伝えるとき、感情よりも事実を明確に伝えることが大切です。

例えば、「人間関係の問題」が理由だったとしても、

「上司との意見が合わず、ストレスが溜まった」

と表現するのではなく、

「コミュニケーションのスタイルに違いがあり、プロジェクトの進行に難しさを感じた」

と具体的な状況を述べるほうが好印象です。

 

ステップ2:自己成長を強調する

 

退職理由が何であったとしても、その経験が自己成長にどうつながったかを強調することが重要です。

「仕事の量が多く、休む暇がなかった」

という退職理由を、

「その経験を通じて、時間管理や優先順位付けのスキルを学び、自身のスキルセットを強化することができた」

と前向きに捉え、伝えると良いでしょう。

 

ステップ3:未来志向の表現を心掛ける

 

退職理由を伝える際は、過去よりも未来に目を向けて伝えることが大切です。

「新しい技術や知識を身につける機会が少なかった」

という理由でも、

「次の職場では最新の医療技術を学ぶチャンスを得られる環境を求めている」

と話すことで、あなたの積極性や向上心を伝えることができます。

以上の3ステップを踏むことで、退職理由を上手に整理し、伝えることが可能になります。
あなた自身の強みや価値観、成長の意欲を面接官にしっかりと伝えられるように、上手な表現を用いてみてくださいね。

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本音を伝えるコツ:言い換えテクニック

 

看護師の転職活動では、本音を上手に伝えるテクニックが求められます。
ここでは、そのための「言い換えテクニック」を具体的な例とともにご紹介します。

 

言い換えテクニック1:マイナスをプラスに

 

マイナスに見える事実も、言葉を変えることでポジティブな表現にすることができます。

例えば、

「オーバーワークで心身ともに疲弊した」

というネガティブな表現を、

「多忙な状況でも自己管理を通じて業務をこなした」

と言い換えると、あなたの強みや成長を強調できます。

 

言い換えテクニック2:具体的なエピソードを入れて

 

あいまいな表現よりも具体的なエピソードを伝えることで、相手に理解を深めてもらえます。

「人間関係が難しかった」

という抽象的な表現ではなく、

「職場全体のコミュニケーションのスタイルと合わなくて、そこから新しいアプローチを試みた」

と具体的な経験を伝えると良いでしょう。

 

言い換えテクニック3:未来志向な表現を使おう

 

再びになりますが、退職理由を話すとき、未来に向けた表現を用いると前向きな印象を与えることができます。

「仕事に刺激を感じなくなった」

というネガティブな印象を、

「新たな挑戦を通じてスキルを更に磨きたい」

と言い換えてみると、あなたの成長への意欲が伝わります。

これらのテクニックを用いることで、退職理由を上手に、そして魅力的に伝えることが可能になります。
これからの転職活動でぜひ活用してみてくださいね。

 

退職理由とその例文集

 

看護師としての転職活動では、退職理由を上手に伝えることが重要です。
以下に退職理由と、それを効果的に表現する例文をいくつか示します。

 

1.人間関係の問題

 

「以前の職場では個々に業務が割り当てられ、チームとしてのコミュニケーションが難しく感じました。
私は看護はチームで行うべきと考えており、患者様やそのご家族へ安心感を提供するためにはチーム内の情報伝達が欠かせないと感じています。
そのため、よりコミュニケーションが取りやすい環境を求めて転職を考えました。」

 

2.仕事の負荷

 

「以前の職場では担当業務の量が多く、その中で自己管理や時間管理の重要性を学びました。
しかし、患者様へのケアに必要な時間が削がれ、質の高い看護を提供するのが難しく感じました。
新たな職場では、一人一人の患者様に寄り添った看護を実現したいと思っています。」

 

3.キャリアアップの意欲

 

「前職では〇〇の業務を経験し、新たなスキルを身につけることができました。
それでも、さらに高いレベルの看護を追求するためには、新たな学びの場が必要だと感じ、自己成長のために退職を決意しました。」

 

4.労働環境

 

「以前の職場は、私が理想とする看護の実践が難しい環境でした。
ですが、その経験を通じて、自己の看護観がより明確になりました。
新たな職場では、その看護観をより具現化できる環境を探しています。」

 

5.待遇

 

「より適切な待遇を求めて転職を決意しましたが、それは自己の価値を正しく理解し、自身の業績を評価してくれる環境を探しているからです。」

 

6.勤務時間・シフト

 

「適切なワークライフバランスを保つことを重視しています。
これは私自身の健康と生活満足度を維持し、それを通じて患者様へのより良いケアを提供するためです。」

 

7.病院の方針

 

「病院全体の方針と私の看護観には一定のズレを感じました。
私は患者さんにスピーディーで適切な看護を提供したいと考えており、それを実践できる職場を探しています。」

 

8.家庭の事情

 

「子育てのために前職を退職する決断をしました。
オンコールや夜勤が難しく、それがチームに影響を与えることを避けたかったからです。
しかし、現在は子どもも5歳になり、両親が定年退職して育児をサポートしてくれるようになったため、再び看護の仕事に復帰しようと考えています。」

 

これらの例を参考に、自身の退職理由を整理し、自己の学びや成長を強調する形で伝えてみてください。

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PREP法を用いた退職理由の作成方法

退職理由を伝える際には、PREP法を活用することをお勧めします。
PREPとは以下の4つのステップから成るフレームワークです。

1.Point(ポイント):あなたが何を伝えたいのか、その主張を明確に述べます。

2.Reason(理由):その主張をする理由を説明します。

3.Example(例):具体的な例やエピソードを挙げて、理由を裏付けます。

4.Point(再度ポイント):最初に述べた主張を再度強調します。

 

では、例としてまゆみさん(31歳、産婦人科での勤務経験8年)を想定し、退職理由として「人間関係の問題と仕事の負荷」を挙げた場合の、PREP法を用いた例文を考えてみましょう。

 

Point(ポイント):「私は看護の仕事をする上で、チームとの円滑なコミュニケーションと、患者一人ひとりに対するケアの時間が重要だと感じています。」

Reason(理由):「しかし、前職では一人あたりの業務量が多く、また個々での業務が多かったため、チーム内のコミュニケーションが十分に行えず、患者さん一人ひとりに対するケアの時間も不足していました。」

Example(例):「例えば、産後ケアで患者さんの心理的なケアを行う時間が取れないことがよくありました。そのため、患者さんから「話を聞いてほしい」という声を上げられても、私自身が時間を作ることができず、フラストレーションを感じていました。」

Point(ポイント):「そのため、私はもっとチームでのコミュニケーションが重視され、患者一人ひとりへのケアに時間を取ることができる環境を求めて転職を決意しました。」

このようにPREP法を用いて、退職理由を具体的かつ論理的に伝えることができます。
そのため、見込みのある転職先に対して、自分の意見を効果的に伝えることができるでしょう。

 

まとめ

看護師の転職活動では、退職理由を適切に伝えることが非常に重要です。

それはあなたがどのような環境で働きたいのか、どのような看護師になりたいのかを示すものであり、また自己理解と自己成長の証でもあります。

退職理由を伝える際には、以下の点を意識すると良いでしょう。

1.真実を伝える
2.否定的な言葉は避ける
3.具体的なエピソードを入れる
4.未来志向の表現を使う
5.PREP法を用いて理由を組み立てる

自分自身の退職理由を冷静に整理し、自分の学びや成長を強調する形で伝えることを心掛けましょう。

また、可能ならば具体的なエピソードを用いて、その理由を具体化しましょう。

そして、その結果としてどのような看護師になりたいのか、どのような環境で働きたいのかを具体的に伝えることができるようになりましょう。

これらのポイントを意識して、自分にとって最良の転職活動を進めていきましょう。

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