介護士が自己肯定感を育てて仕事に生きがいを見つけるヒント
更新日:2023/6/26
介護士という職業は、社会にとって非常に重要な役割を担っていますが、その一方で、自己肯定感を見失いがちな職種でもあります。
この記事では、介護士として働く皆さんが自己肯定感を高め、自分自身を信じて仕事に取り組むための方法を深堀りします。
具体的な目標設定、ネガティブな自己像の改善、そして心理的安全性の確保について詳しく解説します。
自分自身を大切にすることの大切さを改めて認識し、自己肯定感を高めることで、更に充実した介護の現場を作り出しましょう。
介護士が自己肯定感を見失ってしまう原因
あなた自身の価値を認めることは、日々の仕事を充実させ、生きがいを感じる上で大切な要素です。
しかし、介護士の仕事の性質上、自己肯定感を見失いがちになる原因がいくつか存在します。
過酷な労働条件
介護士の皆さんが直面する一つの大きな課題が、厳しい労働条件です。
長時間の労働、人手不足、様々な状況の中で最善を尽くすという責任感。
これらが続くと、自己肯定感が見失われることもあります。
感謝の言葉が少ない
介護は、目に見える結果が出にくい職業です。
また、高齢者の方々の中には自分の気持ちをうまく表現できない方もいます。
その結果、介護士の皆さんが日々尽力していることに対する感謝の言葉が足りない状況が生まれてしまいます。
介護士の仕事は専門性と献身性を必要としますが、その一方で、社会からの認識や評価が十分でないことも事実です。
これが、自分自身の仕事に対する価値観や自己評価を下げる要因となり、自己肯定感を低下させてしまいます。
これらの原因を理解し、それに対処することで、介護士としての自己肯定感を取り戻し、仕事への情熱を維持し続けることができます。
後述のセクションで、それぞれの問題に対する具体的な解決策を提案します。
自己肯定感を高めるメソッド
1.過酷な労働条件への対策:目標設定と小さな成功体験
過酷な労働条件と戦うためには、自分自身に優しく、そして適度に自分を褒めることが重要です。
具体的には、「目標設定」が効果的です。
例えば、
「今日は利用者様と深い会話を一つ持つ」
「笑顔で一日を過ごす」
「1日に1回でもいい、利用者様の”ありがとう”を聞く」
など。
そういった小さな成功体験が自己肯定感を育む土壌となります。
2.感謝の言葉が少ない状況への対策:自己労いと成果の認識
感謝の言葉が少ない状況では、自己労いと自身の成果を認識することが重要です。
たとえば、利用者様から具体的な感謝の言葉を頂けなかった日でも、その日の成果や自分ができたことに対して自分自身で
「よく頑張った」
「今日も一生懸命仕事をした」
と自己肯定の言葉を掛けることが有効です。
3.自己評価の低さへの対策:専門性の認識と自己評価の見直し
自己評価の低さを克服するためには、自身の仕事の専門性を認識し、それを社会へ示すことが重要です。
そのためには、自分自身の仕事に対する価値観や自己評価を見直すことが必要です。
「自分の仕事は価値がある」
「自分がいるからこそ、利用者様は笑顔を見せてくれる」
という視点を持つことで、自己肯定感は高まります。
これらの具体的な解決策を日常的に取り入れることで、介護士としての自己肯定感を高め、より充実した仕事を送ることができます。
ネガティブな自己像を改善する方法
1.自分と他人を比較しない
「あの人はもっと上手」
という考えは捨てましょう。
これは、心理学では「社会的比較理論」と呼ばれる現象で、他人と自分を比較し、社会における自分の立場を確かめることをいいます。
上手く利用できれば、自己分析やさらなる成長に繋がりますが、自己評価を下げてしまう危険性もあるのです。
あなたはあなたです。
他の介護士と比べても意味がありません。
代わりに、昨日の自分と今日の自分を比べ、日々の成長を感じるようにしましょう。
2.リラックスタイムを持つ
楽天市場でお気に入りのアロマオイルを購入し、自分だけの時間を作りましょう。
リラックスタイムを持つことで、自分自身を見つめ直す機会を持てます。
自分自身と向き合う時間は、自己肯定感を高める重要なステップです。
3.ポジティブな自己アフィメーション
心理学的なアプローチの一つとして、ポジティブな自己アフィメーションがあります。
これは、自分自身に対する肯定的な言葉を繰り返し唱えることで、自己肯定感を高める方法です。
例えば、
「私は必要な存在だ」
「私の介護は誰かの笑顔を生む」
というような言葉を日々のルーティーンに取り入れてみてください。
4.失敗を恐れない:失敗から学ぶコツとは
失敗は成長の糧です。
過去の失敗から学び、それを糧にして前に進むことが重要です。
ただし、そのためには、失敗に対して健全なマインドセットを持つことが必要です。
すなわち、
「失敗は結果、そしてその結果から学べるものだ」
という考え方です。
失敗に対して落ち込みすぎないコツは、自己を責めるのではなく、その経験から何を学べるかを考えることです。
例えば、
「どの部分で間違えたのか」
「次回はどうすれば良い結果が得られるか」
など、具体的に考えてみましょう。
また、ミスを犯したときには、すぐに責任を取る姿勢を持つことも大切です。
責任を取るとは、単に謝罪するだけではなく、具体的な改善策を提案し、それを実行に移すことを指します。
失敗から学ぶことは、自己肯定感を高める一方で、自己成長も促します。
失敗を恐れず、失敗から学ぶ力を養うことで、ネガティブな自己像を改善することができます。
これらの方法を活用し、ネガティブな自己像をポジティブなものへと変えていきましょう。
5.心理的安全性を保つ重要性と「プロジェクト・アリストテレス」
「心理的安全性」という概念をご存知でしょうか。
これは、自分が過ちを犯しても、新規の試みに失敗しても「それは問題ではない」と感じられる状態のことを言います。
この概念は、Googleが行った「プロジェクト・アリストテレス」という研究で、チームの成功に最も大きな影響を与える要素であることが明らかになりました。
「プロジェクト・アリストテレス」とは、Googleが行った一連の研究のことで、チームの成功を左右するのかを明らかにしようとしたものです。
多くの要素が分析された結果、心理的安全性が最も成功に寄与する要素であることが示されました。
この心理的安全性は、自身に対しても重要な概念です。
自己批判を避け、失敗を恐れず、失敗を成長の源に変えることが求められます。
このように自己の中で心理的安全性を確保することが、ネガティブな自己像を改善する手段となるのです。
参考:Google re:Work「効果的なチームとは何か」を知る
現在の職場環境、チェックしてみましょう
それでは、現在あなたが働いている職場はどうでしょうか?
心理的安全性が確保されていますか?
以下に挙げる5つのポイントで、職場環境をチェックしてみてください。
- 間違いへの対応: あなたの職場では、失敗や過ちは学習の機会として捉えられ、その都度躊躇なく指摘されますか?
- 意見の尊重: あなたの提案や意見は尊重され、受け入れられていますか?
- サポート体制: あなたが新しい試みを始めるとき、適切なサポートが得られますか?
- フィードバックの風土: あなたの職場では、フィードバックは正直かつ建設的に行われ、受け手がそれを受け入れやすい形で伝えられていますか?
- チームの協力: チーム全体で協力し合い、問題解決に向けて取り組んでいますか?
これらのポイントが満たされている場合、あなたの職場は心理的安全性を確保する環境であると言えます。
ここから、自己の心理的安全性を強化し、自己肯定感を改善する取り組みにつなげることが可能です。
総括:介護士と自己肯定感、自分を信じて仕事に取り組む
さて、これまでの旅で、介護士として働く皆さんが自己肯定感と向き合う方法を一緒に見てきました。
我々が理解していることは、介護の仕事はとても大変だということです。
過酷な労働環境や感謝の言葉が少ない現実、そして自分を低く評価してしまう傾向。
これら全てが、自己肯定感を揺さぶります。
しかし、そんなときこそ、大切なのは自己肯定感を保つこと。
自分自身の価値をしっかりと認識し、自分自身を信じることです。
自分自身の目標を設定し、その達成を通して成功体験を積み上げる。
他人と比べるのではなく、自分自身の力を信じる。
これらのステップを踏んでいくことが重要です。
そして、自分を厳しく見すぎてしまうネガティブな自己像を改善する方法も一緒に学びました。
他人と比較せず、心地よいリラックスタイムを持つこと。
失敗を恐れず、新しいことにチャレンジする勇気を持つこと。
そして、心理的安全性を保つことで、自己肯定感を引き上げることができるんです。
これら全てが、自己肯定感を高めるキーとなり、仕事への意欲を引き上げ、結果的には自分自身のパフォーマンスを向上させるんです。
それが最終的に、我々が支えるべき介護を必要とする人々へのサービスの質を高めるんです。
だからこそ、自分自身を大切に、自己肯定感を保つことの大切さを忘れないでください。
皆さんの素晴らしい介護の旅をこれからも応援しています。